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Δ153

 何か……違和感がある気がした。けど、それは何となくで確証があるものじゃない。それにここまでマナを出したらもう止まれない。私の中のダムは今や全部決壊中だ。このままじゃ、私そのものがヤバい。けどここでそのままマナを爆発させるわけにはいかない。


 そんな事をしたらこの島ごと消し飛ぶだろう。だからわずかでも指向性を持たせることが必要だ。幸いにも私は魔法を使えるようになった。使えるようになったと言っても、なんとなくでしか使ってないが、私にはそれで問題ない。

 世界の理も何となくでやったしね。だから私には魔法とはこういうもの……という概念? だけで十分なのだ。多分後はマナがやってくれる。邪魔な奴らはすべて消し飛ばす。そういう思いをマナに乗せる。すると綺麗だった真っ白なマナが黒く沈んでく。そしてそれは一つの形になっていく。


 大きくて力強く、黒光りする鱗が光を吸い込むように輝いてる。翼を開き、大きな口を開けて吐く雄叫びがここに向かってた奴らの足を止めさせる。


(いい顔してるよ)


 その姿はドラゴン。ゼルのようなドラゴンだ。多分私の中で最強がゼルだからこの形になったのだろう。その姿を見たラジエル達には驚愕がみえる。けどラジエルはその剣を掲げていう。


「怯むな!! 王の剣を信じろ!」


 ラジエルはアンティカの手に乗り迫ってくる。マナで周囲は黒く染まり、けど所々には光が明滅してる。それはさながら夜空? いや、もっと壮大だ。そう私のマナが描いてるのは宇宙だ。ここで存在感を放ってられるのは特別な者たちだけだろう。


 それは今、私の前にいるオウラムの奴らとその下のキューブくらい。こちら側の奴らもちゃんと大丈夫みたいだけど、それはほら、私が慈悲深いからだ。


「今度は確実に殺すからね」


 もう逃がす気はない。腕を前に出すと、ドラゴンがその首反らしてから口からブレスをはいた。それは黒い炎だった。どんな効果なのかはしらない。けど、多分とんでもないんだろう。それに対して向こうはセーファが自身の炎で対抗する。けど確実にこちらが押してる。


 むしろセーファの炎さえも黒い炎に変えてる様にみえる。そこにカマキリの奴が自慢の腕を持って炎を切った。そこからアンティカにのったラジエルとロリッ子が出てくる。カマキリはその身を黒い炎に包まれて落ちていく。まあきっと一瞬でも切れただけすごいだろう。


 でもきっと触れるだけでアウトの炎だからどんな小さな火の粉でもそれだけで対象を飲み込むことが出来るみたいだ。


「つっ」


 けどどうやらやっぱりこれだけのマナの力を出し続けるのは神の器らしいこの体で厳しいようだ。私の傷一つない肌に亀裂がはしる。長くやってると本当に崩壊しかねない。これはさっさとこのドラゴン自身をぶつけてすっきりしよう。


 目標はラジエルとアンティカだ。ロリッ子は理が守ってくれるでしょう。


「あれ?」


 ロリッ子だと思ってた青い肌の少女はいつの間にか大人の姿になってた。グラマラスな体系に妖艶な容姿。いい成長をしてるじゃない。私ほどじゃないけどね。元ロリッ子は自らアンティカの手から離れて空中に立つ。そして無数の陣を構築する。補助に回る気だろう。

 そっち系ぽいし。まあおかげでラジエルにこれを叩き込めばいいだけだらありがたい。


「いけ」


 私は一言そういう。私を覆うように鎮座してたドラゴンがその合図で動き出す。世界そのものを私の思いで埋めたマナの塊。その全てはラジエルの死だ。確定的な死をプレゼントしてあげる。私からの全力のプレゼント。男にとっては光栄でしょう。


 だって私は、宇宙一の美少女なんだから。


「受け取って」

「ああ、ありがたくな!」


 ラジエルはそういった。それと同時に巨大なキューブが開いた。

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