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Δ145

「アレは……」


 私は、いや私達はようやくキューブの上まで戻って来た。何が起きたかわからず、ロリッ子とうさぎっ子は逃げてった。それを追いかける形で私達も登って来たのだ。登ってきてまず目に入ったのがアンティカだ。黒と白の装甲を纏ったアンティカ。あんなの居たっけ? と思ったけど、きっと二機が合体したんだなって思った。そんな機能があるかは知らないがあってもおかしくはない。


 そしてその手の上にはラジエル……いや、あれはラジエルじゃない何かだっけ? 


「ん? どういう事亜子?」


 よくよく考えたらオウラムの奴らがあのアンティカの周りに集まってるのはおかしくない? 戦ってた筈でしょ? それに奴らはあのラジエルが偽物だと知ってる筈。なのにうさぎっ子達も向こうに合流してる。


『分からないわよ。私達はあのラジエルって奴を攻撃してた。私のハステーラ・ぺラスで奴の断絶した空間まで壊せたんだけど、そこでフレームだけのアンティカが現れたわ。フレームだけのアンティカは白銀のアンティカを食らって……そしてあのラジエルって奴を握りしめたら……なんかああいう状況になった。

 どうやらアレがオウラムの王らしいわよ」

「ふーん」


 なるほど、大体わかった。つまりあのモノクロのアンティカは別々の二機ではなく、フレームだけのアンティカが二機から奪った装甲を纏ってるって事か。そしてロリッ子との会話であのアンティカはラジエルだったと私はしってる。


 そしてラジエルは別の何かに乗っ取られてた。けど、多分今のこの状況を見るに、ラジエルは元の体に戻れたんだろ。だからこそ、オウラムの奴らはラジエルの所に集まってる。けどそれじゃああのアンティカはどうやって動いてるんだ? ちゃんとラジエルを支える様にして浮いてるが? 


『ちゃんと理解出来てる?』

「大体は」


 そう返すとコランたちに「おおー」と感心された。どうやら彼女達はわかってないらしい。まあ私とは持ってる情報量が違う。決して彼女達の頭が私よりも劣ってるわけではない。


『そう、なら気をつけなさい。まだやる気よ奴ら』

「その様ね」


 ラジエルは真っすぐに私を見てる。そんな熱い視線を送られても困る。私にはそんな視線効かないのにね。確かにラジエルはイケメンだけど、私には明確な敵だからね。敵の視線に絆されたりしない。けどこっちはどうかな? 


 私はラジエルに向かって微笑む。こっちからも見えるんだ。肉体が人種よりも優れてる獣人なら見えるでしょう。するとラジエルはバッと顔をそむけた。わかりやすい奴である。頭の上についてる耳まで真っ赤にしてる。あいつ私の事意識しすぎて私の事、好きになっちゃってるんじゃない? 


 私の容姿は反則的だし、いくら心で敵だと憎んでも、あいつの男の部分は私をどうやっても美少女と認識してしまうんだろう。絶対その激情をベッドの上でぶつけたいとか思ってるよあれ。させてやれば案外簡単にオウラムを崩壊させることが出来るかもしれない。


 それでもいいけど、私の中ではラジエルは生かしてく方向はない。だってあいつが居るとうさぎっ子の心情的に良くないし。寧ろ、目の前で殺してあげたいと思ってる。そうすればうさぎっ子も私の物になってくれるでしょう。


 そんな事を思ってると、モノクロのアンティカと共に、オウラムの上位陣と思わしき奴らが前に出てくる。向こうはこっちが出てくるのを待ってるようだ。とりあえずコランたちは籠から降ろす。前に連れてくことは出来ない。


 こっちも私と亜子とキララとアナハとグルダフに軍団長に国軍の責任者で前にでる。奴らはキューブの上に降りてる。だから私も降りた方がいいかともおもったが、ラジエルと同じ目線って嫌じゃん。そもそも身長差でこっちが見あげる羽目になるし……それにもっと重要な事は私にこのキューブ自体が反応したら困る。だから私はあえて花びらの様に広げた籠に立ってラジエル達を見下ろす。


 そして開口一番、ラジエルはいい放つ。


「降伏しろラーゼ。この地は僕が手に入れた」


 戯言を……そう切ってすてようとした。けど、その時、私達の下にあるキューブに光が走る。そして止んでた雫の音楽が始まる。更には天井も水面も音楽を彩る様に輝きだした。まさか……本当に? この約束の地をラジエルが手にしたっていうの? 

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