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Δ138

 キララが放った光。それは強烈過ぎて目を開けてられない程の奔流だ。でも私には普通の人種にはない目がある。それを使ってみると、やっぱりと言うべきか、ロリッ子はキララの攻撃を受け止めてる。錫杖を前に突き出し、展開した魔法陣で防御してた。


 今しかない!


「シシ、今!」

「はい!」


 その声と共に、シシはショートポイントの魔法でミラをロリッ子の後ろに転移させる。前は接触者しか転送できなかったようだけど、今は一人くらいなら触れなくても転移させることがシシは出来る。これも努力の成果だね。


 ロリッ子の後ろへと移動したミラはたた単純にロリッ子へと組みついた。そしてうさぎっ子をロリッ子の手から奪おうとする。虚を突かれたロリッ子は完全に慌ててる。それに前方からは強力な魔法による攻撃まで来てるんだ。意識はどうしてもそっちに向く。


 そのおかげもあって、ミラは見事にロリッ子の小さな腕からうさぎっ子をもぎり取った。


「よし!」


 私はそういって拳を握る。けど、そこで予想外の事が起きた。予想外というか、想定外? 


「かはっ――」


 ミラが血を吐く。何が起きたのか、よくわからなかった。遠かったしね。けど、直ぐに理解した。聞き間違いのない声が聞こえたからだ。


「お手をかけてすみません姫」


 そう、うさぎっ子が目を覚ましたんだ。そしてうさぎっ子を抱えてたミラを攻撃した。ミラから腕を引き抜くうさぎっ子。人種では出来ないが、うさぎっ子は獣人だ。人種に手刀を差し込むなんて造作もないんだろう。そして腕を引き抜かれたミラはぐったりとして落ちていく。


 うさぎっ子は空中に止まってる。魔法? わからないが、今はミラだ。


「シシ! ミラを!」

「はい、今すぐ!」


 最初の転送は位置を決めてたから見えなくても出来た。けど、今回はミラは移動してる。上から下へと。ショートポイントの特性的には移動してる他者を転送するのは難しい。更に今は視界が良くない。流石にキララの魔法も勢いがなくなってきて、光も弱まってるが、それでも眩しい事に変わりはない。


 行けるのかな? けどここはシシを信じるしかない。


「頑張ってシシ姉!」


 不安気な顔をしてたシシはそんなコランの声を聴いて不安を消し飛ばした。自分自身だけじゃ、信じれなくても、誰かに信じて貰えれば、補強できるのかも。


「捕まえ…………た!」


 その言葉の瞬間、ミラが籠の上に戻ってきた。本当にぎりぎりだった。後一瞬でもおそかったらミラは水のなかだったろう。水の中じゃショートポイントは使えない。けど安心なんてできなかった。だってミラの胸には穴が空いてるんだ。穴自体は服とか血で見えないが。その血の量がヤバかった。


「キララ! アナハ!」


 私は二人を呼ぶ。どっちでもいいから回復してくれないとこのままじゃミラが死ぬ。とりあえずクリスタルウッドにか枷をしいて万一ミラのマナが来たとしてもより分けておこう。


「二人とも下がって……私が行くよ」


 誰かが、ロリッ子達の相手をしなくちゃいけない。だからどっちが行くべきか迷ってたみたいだけど、ここは二人に下がってもらう。だって……さ。これには私もプンプンだよ。


「あんたのそんな顔を見たかったのよ」


 そういったのはうさぎっ子だ。ほんと、私もそんな酷薄な笑みのうさぎっ子を見れて満足だよ。そして、怒りプンプンだよ。こんな事したうさぎっ子をまだ好きな自分も、こんな事を招いた自分もやっぱり嫌いにはなれなくて、ただ可愛い子達が戦うこんな世界に猛烈に……プンプンだよ。

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