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Δ121

「一体どうすればいいのですか?」


 私はメル様にそう尋ねる。確かに私以外に動けるものはいない。いないが、メル様とかマナ生命体は動けるのではないだろうか? だって彼らはマナ生命体だ。そこらの生命というか……わたしたちとは根本的に違う。


 彼らはマナの濃ゆい所に現れる存在だ。ならマナの濃さなんて問題ないのでは? 実際薄かった彼らは今ははっきりとみえる。


『母のマナに道を示すのです』

「道?」


 もう少し具体的に言ってほしい。道を示すとか言われて「わかりました!」という奴いる? もしかしたらいるのかもしれないけど、私はそんな天才じゃない。何をどうやればいいのかどうか、もっと示してほしい。


『マナは母が大好きです。ですが、今はその母を見失ってます。皆を導く道が必要なのです』


 むむむ……多少噛み砕いてくれたの……かな? つまりいまは何故かラーゼ様自身をマナが見失ってるから、沢山出てると? 子供たちが母親を見失ってウロウロしてるかんじなのだろうか? マナにそんな意思がある事に驚きだが、メル様が言うのならそうなのだろう。


 確かに魔眼でもウロウロしてるマナが見えるしね。大量に出てて、そっちに目が行きそうだが、放たれたマナの動きは自然に漂ってる感じじゃない。いきなり吐き出されて何がなんだかマナもわかってないんだろう。


「マナに道をってどうやれば?」

『直接クリスタルウッドに返せれば一番なんですが……それができるのは母だけです』


 ラーゼ様は直接クリスタルウッドと繋がってるらしい。だから普通ではありえない量のマナを操れる。でもそれはラーゼ様だけの力。私達ではクリスタルウッドとの繋がりを持つことは出来ない。よしんば、あれだけのマナを操作できたとしても、どこに送ればいいのか……この空間から出したとしても、ラーゼ様ならもしかしたら世界全てをマナで満たすことが出来るかもしれない。


 そしたら結局の所、危機を先延ばしにすることにしか他ならないし、世界を危機に瀕する事になる。


「は……ふっ……」


 どうやらかなり重要な事が私の肩に乗ってるらしい。変な息が出てしまう。


「私にそんな事……やりかただって……」

『母が造ったアイテムがあれば、誘導できたのですが……』


 アイテム? それはきっとラーゼ様がくれたピアスの事だろう。あれがあれば、ラーゼ様の無制限のマナの一端を受け取る事が出来る。一端でもそれはすごい量だ。かなりの強化になる。けどそのピアスはラーゼ様の力が溢れてきたと同時に壊れた。


 多分、耐えられなかったんだろう。確かにアレを使えば、マナに道を作れたかもしれない……あれはラーゼ様の力に道を示して流してた訳だからね。皆からかき集めて使えば……とおもうが、すでにそれは叶わぬ願い。


「待って、ラーゼ様の力が流れる先はピアスだけじゃない……わ。キララは?」

『あそこに』


 メル様はキララの場所を指さす。そこはどうやらラーゼ様と同じくらいにマナが溢れてた。やっぱりキララからもマナが溢れてるらしい。そのせいでキララも動けないでいるみたい。でもやっぱり……とおもった。


 キララは特殊な体質だ。ラーゼ様の力が一番通りやすい。そのキララを使えば……もしかしたら。


「メル様、キララをここえ」


 私の言葉にメル様が頷く。マナ生命体を使ってキララをこちらに運んでくる。視界がどんどん白くなってく。多分これが全部染まったら、マナの濃度に耐え切れなくて皆死ぬ。そしてマナが濃さが一定を超えると、マナの爆発が起きる。誰も助からない。その前にこのマナ達を返さないといけない。その鍵が……キララだ。


 今はキララの体もマナを出してる。けど、キララなら、マナをラーゼ様に返す事も出来る筈。けどそんな魔法はない。私は自身の中にある新たな陣の知識にアクセスする。

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