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Δ117

「どうやら上手くいったみたいね」


 私はそう呟く。その声に反応して、プリムローズの皆が顔を輝かせる。うむうむ、その尊敬の眼差し気持ちいいよ。もっともっとくれたまえ。まあかなりギリギリだったけどね。最悪、亜子は……いや、ゼロはダメかな? って思った。なんだかんだ言って亜子は人種から外れちゃってるからね。


 生きようと思えば何とでも出来る。だからそこまで心配はしてなかった。けどゼロは危なかったし、実際やられるかな? と覚悟してた。直前で出来たのは完全な偶然だ。一応ゼロはこっちの重要な戦力だし、国王から貸し出されてる物だからゼロを壊されると困るのは事実だ。


 まああの国王なら私が上目遣いで「ごめーん」といえばそれで不問だろう。でも国王の横のおばさんがね。まあ王妃なんだけど。あの人、私の事魔女とか言って嫌ってるからね。ある程度年齢行った女の人は妬むか、諦めるかなんだよね。


 諦めて私の方にすり寄る人達は増えてるが……貴族の女性はまだ表向きは敵いっぱいである。化粧品とかの商品のお得意様はいっぱいなんだけどね。貴族は複雑らしい。アンティカは人種の最後の防衛線というか切り札だ。


 そんな最終兵器をぶっ壊すとある程度は私の立場に影響がある。私の事を良く思ってない奴らはここぞとばかりに攻撃してきそうだし、それは正直厄介だなって思ってた。でも戦闘では予想外の事が起こる物だ。ある程度は覚悟もしてた。


 だからしょうがない――と思おうと思ったが、結果的にはその心配は杞憂だったみたい。勝利の女神はどうやら私に微笑んでるようだ。まあ私自身が勝利の女神なのかもしれないけどね。女神以上に美少女だし。ゼロはギリギリの所で踏みとどまった。


 片腕なくなったが、あの程度はね。実際フレームから切り離された腕を元に戻す技術は今の私達にはない。だからああなると完璧に直すなんて不可能だ。今頃、ネジマキ博士とかは転げまわってる事だろう。けど私はそれさえもそこまで気にしてないよ。


 だって多分ここを取れれば、そこら辺は解決すると見てるからだ。だってあの紫のアンティカがその答え。ここにはアンティカの装備があり、装備があるなら他にはももっと色々とあるだろう。わからなかったアンティカの基幹フレームの事が分かる……可能性は高い。


「さて、優勢は決したし、行こうか?」


 紫のアンティカは装備を無くし、湖に落ちた。そしてオウラムの他の奴らももう特殊なマナを放つ者はいなくなり、逆に動きがとても緩慢になってる。そういえばまだ進化したままの奴がいる。それはあの炎を操ってる女性とカマキリの腕を持つ奴だ。


 多分あの二人は元が進化済みだから変化がないんだろう。実際、あの二人だけでこっちの戦力以上かもしれないと思えるけど、グルダフと亜子、それにキララも頑張ってるからなんとかなるでしょう。キララがいる限り、即死でもないかぎり直ぐに復活出来る。後は数で押せば……ね。


 奴らにだって疲労がない訳じゃないでしょう。なので私達は湖に出てきた巨大なキューブを目指す。あれは私の物だ。籠を操作してゆっくりと籠に近づいてく。ふとこれは私が触って大丈夫なのかな? と思う。だって小さいのでさえ、私が触ったら何か起こってた。このクラスのキューブが謎の動きをするのはちょっと怖い……


 そう思ってると、何やら、上から光が集まってきた。私達は身構えるよ。紋章を持つ三人が私とコランを守るように前に出る。本当なら私が一番前がいいんだけど……それはゆるしてくれないだろう。私なら万が一なんてない。けどシシ達にはそれがあるからね。とりあえずメルに警戒してもらう。


 光は集まって形を成してく。それは何やら私が見た事ある形で……あつまった光……それはなんとうさぎっ子になった。

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