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Δ114

「なっ……」


 近くのミラがそんな声を出した。どうやら水の中から出てきたキューブのデカさに驚いてる様だ。でもそれも無理はない。だってそれだけデカい。木が生えてるキューブの何十倍あるんだよって感じのデカさだ。あれだけデカいと流石に浮かないのか、半分くらいが見えた所で動きが止まった。


『ラーゼ様、あれにはきっとこの地の全てが詰まってるぞ!』


 そんな興奮した声を伝えてくるのはネジマキ博士だ。こっちが戦闘してる間にも学者たちはあのキューブの解析をしてたのだろう。何かわかったとも聞かなかったが……逆にわからないって事が分かったのかも。そしてわからなくても、ネジマキ博士とかにはこのキューブに大量の情報が詰まってると感じたか……


(これってスナフスキンのせいで出てきたのかな?)


 私はふとそんな事を思う。スナフスキンはあのDNAみたいな魔法陣で何かやってた。直前まで、しっかりと陣は守ってた。こっちの数に流石に最後には落ちたが……それだけやつは重要視してた。


(でも、奴の陣がなくなって出てきたんだよね)


 そうなのだ。奴の陣がなくなってキューブの動きは変わった。もしかしたら、スナフスキンはこうなる事を良しとしてなくて、妨害してたともとれるのではないだろうか? じゃあ、あれはスナフスキンにとっては都合が悪い物? 


 でもスナフスキンはなにかを取りに来たとかなんとかだったはず。このバカでかいキューブがそうなのかもしれない。それなら目的を果たす一歩手前で倒せたという事か? いや、スナフスキンは陣を使ってキューブから何か出してたみたいな感じだった。もしかしたら、目的は果たしてたのかも? 


 けど……いつまでもながめてる訳にもいかないか。


「どうしますかラーゼ様?」


 ミラの言葉に周囲を私は見る。さっきまで協力してたとは思えない位に、私達とオウラム勢はけん制し合ってる。数秒前が嘘の様だ。自力ではこっちが不利だね。……なんせ向こうは全員が種として進化を果たしてる。


 こっちもブーストしてるが、所詮は巨大なマナを乗っけてるだけだ。でもなんとか出来るかも。私はメルに集めさせたオウラム勢の一人一人のマナを体内に入れてみた。とても気持ち悪い感覚だったが……いまやその気持ち悪さはない。


 わずかな特性を残し、それは私のマナに混ざってる。こっちも全く新しいマナを作れば……奴らの進化を強制的に解除できるのでは? 奴ら全員のマナを中和出来れば……


(メル、出来る?)

(母と私なら)


 薄いメルの声は私にしか届かないだろう。マナ生命体達は消えてるし、メルだけが残ってると思う奴はいない。そして私とメルが特殊なマナを作りだすと同時に、ロリッ子の錫杖の音が響く。奴も何かを仕掛けてくる気だろう。

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