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Δ110

「な!?」


 私はゼロの操縦桿を握りながらそんな声を漏らした。その原因は突如現れた新たなアンティカが原因だ。露わた時はとてもみすぼらしいアンティカだった。その見た目は人でいう骨だけみたいなフレームのみだった。


 けど今は違う。見様によっては青く、紫にも見える装甲を纏ってる。それは頼りになる見た目だ。ここは戦場だから、ガリガリのままで居られるよりはましだと思った。けどどうやらあれはただの装甲ではないみたい。

 ゼロが畏怖を感じてた。ゼロはこのアンティカに搭載されたAIみたいなものだ。個性的な事は言うけど、感情までプログラムされてる訳ではないとネジマキ博士は言ってた。だからゼロ自体はそれを畏怖とは思ってないだろう。


 けど……ゼロはおびえてた。あの紫色のアンティカに恐怖を感じてる。今は一緒に戦ってるから、そんな必要性なんてなさそうだが……なにやらゼロは感じ取ってるらしい。


「あの装甲が凄いの?」

『材質は不明です。何よりもあのアンティカはマナを放っています。それも固有の』


 とは、ゼロの言葉だ。マナなんてこっちも放つことができるけど? といったら怒られた。私達の放つマナとは全然違うらしい。


『あれは生物にだけ許されたマナです。マナを蓄えてる訳ではありません』

「えっと……じゃあ何? あのアンティカは生きてるって事?」


 私のその言葉にゼロは答えない。下手な事は言えないからだろう。生きてるアンティカ……そんなのがじっさいに? けどあのアンティカは確かにマナを放ってるらしいしね。私的には操縦してる奴のマナなんじゃないの? って思うわけだけど? 


 そう思ってるとスナフスキンへと突っ込んだ紫のアンティカが背中の武器を放つ。それは七つの小さな機械。それらは縦横無尽に飛んでいきスナフスキンへと光線をあてる。けどスナフスキンもただ黙ってみてる訳ではない。見た事もない魔法陣を出して見た事もない魔法で身を守ってる。


 スナフスキンは無数のドリルを出してた。そうドリルだ。穴をあける為のドリル。三角錐に螺旋状の工夫がされてる。それらはギュンギュン回りだしてる。そして一斉に放たれた。先行してるのはオウラム勢だ。このままではだめだが、先行してくれるならこっちは余裕が出来る。


 だからまだこっちまでドリルはきてない。一番近くにいて一番先に狙われたのはあのアンティカだった。けどあのアンティカ……


「なにあれ……」


 ちょっと理解できない動きをしてた。ありえない反応速度で回避し、回避できないのは放ってる機械で撃ち落としてる。けどその機械の方だって攻撃されてる訳で……なにあれ? 自立型なのだろうか? そうじゃないと自身も避けつつ、あれにも避けさせるなんて芸当出来ないよね? いや、それは人の身であれば……なのかもしれない。


 アンティカがマナを放ち意思を持ってるのであれば……そう考えてみてると、紫のアンティカの目が強く光った。そして射出されたまま残ってる背中のドック部分を手に取る。そして投げた。回転しつつそれはドリルを大量に屠っていく。


「凄い……」


 私は自然と口からそんな言葉がでてた。

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