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Δ57

「案外、大丈夫っぽい?」


 私は自身を離れたマナの制御が苦手だ。それはデカいからってだけじゃなく、実際事実としてそうみたい。でもその代わりに自身の中での操作は得意な方。実際巨大アンティカとゼルの余波を消し飛ばすだけでめちゃヤバいくらいに力暴走してた。抑えきれる限界は直ぐに超えてた。やっぱりあの二人は……二人? というのが正しくなそさそうだけど、あいつらは規格外に過ぎる。私、今まで全力何てそれこそ殆ど出したことなかったけど、奴らの力を相殺するにはこれまで使って来た力じゃ足りないと直感でわかった。


 だからこれまでの非じゃない力を出した。そんなの当然制御できる分けない。一番最初に無暗に力を使ったときと違って体にもちゃんとマナを巡らせて強化してたから腕がなくなる……なんてことはなかった。けど服の腕の部分は消え去った。なんか世紀末のモリモリマッチョが着てそうなギザギザした袖になって恥ずかしい。まあつまりはそれだけの力を使ったという事だ。


 けど、不思議な事に約束の地の内部はそれほどに消滅してない。勿論大穴は開いてるけど……私的には全部ががっぽりなくなってるかもと思ってた。だって本当にそれほどの力を使った筈だ。吐き出して暴走が収まる程度には出した。なのにこれって……地上で使ったら絶対に大陸の一つが地図から消える規模の力だったと思うんだけどな。


「危ないよー」


 私はそういいつつ、床に落ちる。それこそまさにベチャ――って感じに。だって受け身とかも私取れないし。だから自身を強化して後は成すがままにしか私は出来ないのだ。一応下に集まってた羽付きの人達に警告は出したんだけどね。いかんせん聞こえてなかったみたいだ。一人の若者を潰してしまった。


「いつつ……だいじょう――げっ」


 明日からちょっと赤い物が入った料理は遠慮しようって気がした。とりあえず見なかったことにした方がいいかもしれない。私のせい? 私のせいでこの人死んじゃったの? 真っ赤なトマトまき散らして……どうかんがえても周りの人も私から距離取ってるよ。


『ああ……※※※※! あああぁあああああ!』


 なんかとても綺麗な女の人が私を見て泣いてる。


「あ、そっか。私じゃないのか」


 そこで私は気づく。確かにこっちを見てる。けど、彼女達の目に私は映ってない。まって、待って。じゃあなんで死んだことになってるのこの人? とりあえずあんまり汚い物の上に乗っかってるのも嫌だから退いた。すると私が退くとそこには大きな瓦礫があった。


「なるほど、これが原因なのね。不幸な事故だったね。私のせいじゃなかったからまあよかったけど」


 私が落ちたからこの人の上に瓦礫が落ちたわけではないよね。だって私はただこの映像を見てる立場だもんね。過去に干渉できる訳もなし。


『お前のせいだ』

「いやいや……そんなの言いがかりってえ?」


 変な声が聞こえた。やけにハッキリと。ここに居る他の羽持ちの人達の言葉は目の前だというのにどこか遠くから聞こえるかの様に感じるのに、今の声はやけに耳に近かった。そう思ってると、なんと瓦礫から見えてる腕がガリガリと床をひっかき、とても人の腕じゃそうは動かないだろうって動きしだした。


「ひいいいい!?」


 流石に気味悪い。私は全力で後ずさった。見てると腕に重なるように腕が見えて、そして次第に全身が瓦礫が出てくる。けどその体は青く、透けている。瓦礫を見て泣き叫んでる女の人は気づいてない。って事は、これはつまり、こいつのマナの全て……魂か。

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