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Δ51

 水場の中央に進み出たアンティカは光る柱に囲まれてなんか神聖な物に見える。アンティカだからスケール感的に見やすくはある。てか小さな豆粒みたいな人サイズでは拡大しなくちゃ見づらいけど、アンティカならまあ大丈夫だ。


「亜子、どんな状況?」


 一応声を掛け続ける事は忘れない。外側見えない異常ってのか起きてるかもしれないからね。まあちゃんと外部からもデータは取れるようにはなってる。アンティカは人種の最終兵器だからね。常にデータを取ってその深淵を明らかにするのは国の悲願なのだ。異常があればネジマキ博士が興奮して何やら言ってくるはず。


「今の所支障は……まっ――ゼロ!?」


 亜子の慌てるような声。どうやらあの動きは亜子がやってる訳じゃなさそうだ。だって全然滑らかさがない。壊れかけのおもちゃの様にぎこちない。何か起こるとは思ってたけど……また操られてるのだろうか? やっぱりアンティカはここでは使うの不味い? けどあの蜘蛛に操られてた時ほど、ヤバい感じはしない感じはする。直感だけど。そもそも何やら水面に降りようとしてるようにみえるし……


「え?」


 私は思わずそんな声を出す。それは私だけじゃない。それはそうだろう……だってあの水ってあれだし……それになんていっても、アンティカは沈んでない。普通ズブブと渋むじゃん。いや、ドブンかな? ――のハズなのに、アンティカは水面に立って見せてる。そしてぎこちない動きで膝を折る。頭を垂れるアンティカから何かが垂れる。水の中には光る何かが見える。文字かな? アンティカから垂れる何かはそれらを束ねて行ってるようにみえる。

 

「陣を構成してる……」


 キララの奴のそんな声が通信越しに聞こえた。陣……魔法陣って事かな? 確かになんか円っぽくなってるけど……アンティカは何やってるの? てか、アンティカから出てるあの液体は何?


「あんな液体なんて入ってたの?」

「どうじゃろうか? 頭のフレームはこじ開けてはおらんからの……」


 一番そこに重要な物があるだろう、って事だったからね。脳髄かなにかなのかな? それとももっとファンタジー的な何か? 私的には後者に見えるけど……水の中に何十もの陣が展開されてる。それは陣単位で動きだし、水をこじ開ける。つまりはポッカリとアンティカの足元の水がなくなった。そこにゆっくりと落ちていく……というか、招かれてるように沈んでくアンティカ。私は咄嗟に声を出すよ。


「続くわよ!!」


 結構デカい穴開いてるし、ここは便乗させてもらうべきでしょ。亜子はとても焦ってるのが声でわかるけど、こっちは利用させてもらう。この先何が起こるかわからないけど……その時はその時だ。私達は一斉にアンティカに続くように飛び出した。

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