表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

473/2443

Δ49

 デカい管は幸いにもゼロも通る事が出来る程だった。当初の予定では流石にゼロは島の内部に持ってく事は出来ない……と思ってたからこれは嬉しい誤算だ。私の記憶的には内部には広い空間があったけど、そこまで行った地下鉄の道は流石にゼロは通れそうになかったな――っておもってたからね。ゼロが内部まで運べるのなら、これ以上はない戦力となる。なるべくなら戦力は維持しておきたいじゃん。まあ亜子は単体でもめっちゃ強いけどね。


 それこそ、エースと認められる程の武勲と功績を積んでる。ハステーラ・ぺラスという唯一無二の武装持ってるからね。アレはなかなかに反則的だ。最初はその力の不気味さとかで色々とあったけど、幸いにも積み重なった功績がそんなものを吹き飛ばした。亜子自身は既にアンティカの乗り手という価値だけで見られてた存在ではないんだ。その存在だけで頼りにされる程の人へと至ってる。まあ実際どっちが運用しやすいかとかだよね。アンティカはやっぱり人の身では得られない高軌道と威力があるが、その大きさ故に閉所では使えないからね。


 亜子自身ならどんな所でもいけるし、ハステーラ・ぺラスのおかげで生存率は極めてたかい。不意打ち暗殺にもめっぽう強い。まあ人種以外はかなり生命力が高いから、一撃で殺せるなんて事はあんまりないけどね。混戦の中なら亜子は空間移動でそれこそいやらしい動き出来る。


「まあでも今は威力欲しいしね」


 カードでブーストできるとしても、やっぱり物理的に質量が勝るアンティカを更に強化して攻撃した方が、振り幅が大きいのは自明の理。ここの敵は機械的な奴が多いし、単純な威力は魅力的なのだ。


「そういえば、亜子は無事だったのよね?」

「うん。アンティカの中にいたからね」


 そうなのだ。亜子はどうやらここの奴らのマナに侵されてなかったみたい。実際マナならアンティカの中でも無事ではいられない気がするんだけど……でもどうやら影響されなかったみたい。アンティカは多分こことかかわりが深いみたいだし、何か干渉されない仕組みが予めあったのかもしれない。てな訳で、ネジマキ博士御一考はアンティカの資料を引っ張りだしてそれが何なのか調べてる。勿論大量の資料を持ち込んでるわけではない。それはデータとして特殊なカードに記録されてる。


 私が亜子の消えゆく向こうの記憶を救済する処置としてその記憶そのものを外部に移すって方法を無茶なやり方をして実現したのを知って色々と彼らは研究改良したらしい。まあ彼らの場合はまだ記憶を外部に移すとかは出来ないみたいだけど……情報をデータ化して保管することは既に実現してる。カードをフロッピーディスクとかだとすると、もっと小型化してくんだろうなってなんか勝手に思ってる。


「ごめん。さっきは……」


 アンティカからそんな声が届く。さっき……ね。亜子もみてただろうしね。けどまあ、気にする必要ない。でもなんだか……


「もしかして、何か言葉を交わしたりした ?」

「つっ!?」


 亜子は分かりやすい。軍に居るなら腹芸も覚えた方がいいのでは? 


「――で、なんていわれたの?」

「…………私は、そっちに居たら帰れないって」


 どうやらここの奴らは色々と知ってるみたい。高みに昇って世界を見てるのかしらないけど……やっぱりなんか気に食わない奴らだよ。高みに昇っていいのは私だけ。私の上に居ていい奴なんて存在しないんだよ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ