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Δ22

「「ラーゼ……」」


 二人の声が重なる。二人とも私に何か話す事があるんだね。全くモテる女は辛いよね。私が二人いればこんな取り合い起きないのに……けどそれはだめなのだ。私ほどの存在となると、二人いるなんて事は世界が許容できないみたい。それはただの自信とかじゃなく、純然たる事実だ。どうやら私は二人以上は存在出来ないようである。何言ってんだ? とか思われそうだけど、この世界には魔法がある。だから分身とか出来ないかなー? と思うのは普通でしょ? 


 だって自分を分けられたら同じ時間で色々な事ができると思わない? それに面倒な事も分身にさせれば私は楽できるじゃん。少しは魔法というものがわかった私がそれにチャレンジしない訳はない。私は私の為になることは案外真面目にやる人だよ。他人の為……なんてのは一切考えないけどね。だから私は挑戦したのだ。そして行き着いた結論がこれだ。私という存在の許容量は一人だけ。分身という実体とかじゃない存在でも許されない程に私は一人で世界の美しさのキャパを使い切ってるらしい。


 まあそれは私の推論であってメル的には世界樹と繋がってる事による弊害とかなんとかいってたけど、多分私の方があってると思う。だって私ほどの可愛さをこれ以上世界はおそらく受け止めきれないって思うもん。


「うんうん」

「なに、勝手に納得しるのよ?」

「どうせアホな事考えてるんでしょ?」


 失礼な二人である。さっきまで言い合ってた癖に、なんでそういう所は気が合うかな? 


「「ラーゼ!!」」


 二人して私に迫るキララと亜子。そして声が重なった事に睨み合う。先に言葉を発しようとしたけど、それは互いに同じだったって所かな? 


「別にどっちからでもいいわよ? それともキャットファイトでもやって決める?」

「そこまでやる必要なんてないわ。どうせ私が勝つし」

「そこまでやる必要はないわラーゼ。どうせ私が勝つ」


 このあと勿論「ああ!?」と睨み合う二人である。面白い。


「随分な自身じゃないキララ? 私が勝ちこしてるって覚えてる? ああ、キララはちょっとおバカだったっけ?」

「た、確かに私はおバカかもだけど、勝ち越してるって言っても一勝だけじゃん。この前はたまたまだし、それだって結構前、私は亜子よりも早く成長してるよ」


 どうやら二人は定期的に戦いあってるみたい。いつの間にそんな戦闘民族みたいになってるのこの二人? 保護者として心配だよ。面白いからいいけど。キララなら傷跡も残らず回復出来るだろうしね。女の子に傷があったらだめだからね。


「まあそれなら約束の地でつければいいわよ。どうせ色々と出てくるだろうし」


 けど亜子は前線に出るだろうけど、キララは基本後方になるよね。回復の要な訳だし。勝負とかにならないか。とか思ってたけど、二人的にはそれでもいいみたい。


「そうね。いつものあれでいいわよね?」

「勿論」

「いつもの?」


 私は疑問を口にするけど、二人はそれを教える気はないみたい。


「ねえラーゼ、ちょっとお願いあるんだけど?」


 一瞬の隙をついてそういったのはキララだ。亜子は口をパクパクしてる。けど声は出てない。どうやら何やら魔法を使ったみたい。てかペルか? キララの服のポッケから微かにマナの流れが感じれるし。自身では魔法を使わずに亜子の油断をついたわけだ。これはキララ一勝でいいかもね。


「お願いってなに?」

「約束の地にあるかもしれない物で、私欲しい物があるんだ。ねっ」


 両手の指を満遍なく合わせての上目遣い。良い武器をキララも手に入れてるみたいね。なかなかにズキュンと来る仕草じゃん。それはいい。けど……なんか黒いオーラが見える気がする。

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