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Δ6

「ネジマキ博士いる~?」


 そう言って私はひょこっとラボに顔を出した。まあ私が呼べは部屋に来させることなんて簡単なんだけどね。けど私はここの雰囲気好きなんだよね。てかこのラボは色んなものが来るたびに更新されてるから、来て楽しいってのもある。私の後をついてくるこのぬいぐるみ達もここで作られたのだ。キララのペルをヒントにこの子達は出来上がったのだ。見た目はなんの変哲もないぬいぐるみ。だけど、その正体はそこらの人種なんかよりもよっぼど強いボディーガード。


 うんうん、これは売れるよね。娘が居る貴族連中にバカ売れ間違いなし。見た目完全におもちゃなのがいいよね。小さい子とかでもこれなら持ち歩いてくれるだろうし。まあそもそも持ち歩かなくても勝手についてくるんだけどね。


「ラーゼサマ、ヨウコソイラッシャイマセ」

「うん、ちょっとぶりね『ネロ』」


 私を出迎えたのは武骨な金属の塊のようないわゆるロボットだ。今、ここの研究者たちの熱はいかに高性能で高出力なロボットを作るかになってるからね。なんせ今はなかなかに激動の時代。そこに突入してしまった。空を見あげれは不安をあおる三つの星が落ちてきそうな程に近くにあるからね。そして実際、あの星達からはこの星の生物を根絶やしにするための先兵みたいなのが送り込まれてる。まだここにはちらほらとしかこないからアンティカとかでどうにかなってる。


 多分あの星の奴らも人種ならこのくらいで十分だろうとか舐め切った数しかよこしてないんだろう。実際、アンティカとかなかったら十分な兵力だったと思う。けど、いまやこの人種の国は人種だけで構成されてる訳でもないからね。まだ幾分かの余裕はあるよ。けど、単種族で向かい打ってる種はなかなかに厳しいみたいだ。見た訳じゃない。けど、私にはわかる。なぜなら私はクリスタルウッドと繋がってるからだ。この大地の全てのマナはクリスタルウッドを循環する。


 それはすなわち、死したらクリスタルウッドへと帰るって事で……ここ最近、帰るマナの量が多いからそれがわかる。まあだけど、おかしな事もあるにはあるんだけどね。


「ハカセツハイマジッケンチュウデシテ……ナニモノモオトオシスルナ……トイワレテオリマス」

「私でも?」


 ネロは体はロボット然とした鉄部品で武骨に作られてる。そして顔だけが表情を表示するディスプレイとなってて、声は喉に開いた穴から聞こえる。表情と行ってもこのディスプレイの解像度は相当に低く、表示できる表情は線である。へのへのもへじみたいな感じで表情を表してるのだ。最初は困難で第十部かな? とか思ったけど、馴れるとなんか可愛く見えてくる不思議。


「――ラーゼサマナラモンダイナイデショウ」


 うむうむ、なかなかにわかってるロボットである。ネロは兵器としてじゃなく作られた最初のロボットだ。だから戦闘能力はないけど、ネジマキ博士は感情を生み出したいとかで、色々とやってた。あの兵器大好きな爺にしては珍しくね。けど流石は天才。ネロは結構色んな事を学習してる気がする。前はもっと機械らしさ全開だったんだよね。今もそうだけど、なんか自分で考えてる所が見て取れると成長を感じるよね。私はとりあえずネロに従ってラボを進む。やはりどこもロボットの新しいフレームとか、それに詰む兵器とか作ってるように見える。


 みんな私に気づくと頭を下げてくれるよ。まあ中には見とれて組み立て中のパーツを落っことしてる人もいたけど、それは私の罪じゃない。まあ美しすぎるのが罪なら、それは仕方ないことなのだ。ラボの最奥の大扉の前まで来た。ここからはネジマキ博士の研究施設だ。


「アブナイモノモアルノデ、オキヲツケクダサイ」


 そんなネロの言葉を聞き流しつつ、私は大扉の向こう側へと進むよ。


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