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θ154

「貴方達アスタナ……それってこの武器達そのもの?」

「今更……何をわかり切った事を言う?」


 やっぱりそうなんだ。二本の剣を携えた黒鎧が激しい風を巻き起こして来る。私はその風圧に耐え切れずに転がった。けど、この地に刺さった武器はビクともしない。奴がその力の一端を開放したせいだろうか。私の頭に響くこの地の武器達の声がうるさくなった。怯えている。警告な様な言葉を一斉に言ってきてうるさいったらないよ。だけどそのおかげで――


「ぬう……そこ!」


 ――私はショートポイントで自身を移動させる。そのおかげで次の一撃をかわせた。ここの武器達がうるさいくらいに次の攻撃を示唆してたからね。風を収束させて作り出してるのかどうか知らないけど、前から流れてた風の向きがいきなり変わったのだけはわかった。だから急いでその場から移動したんだ。その場にいたら、風の刃で串刺しにされてたっぽい。見えない実際そうなったのかはわからない。けど、試す気になんてなれない。実際武器達の声の通りに風の向きは変わったわけだしね。


「余計な……事を……だが、ぞれでこそでもある。貴様には適正がある……ようだ」

「なに言ってるのかわからないのよ。私はあんたなんて欲しくない。出来れば返して欲しいんだけど?」


 ここでこうやって戦ってるのって勘違い以外何でもないからね。出来うるのなら、終わらせてもらいたい。こんな事、私にはなんにも意味ない事だもん。私は確かにここの武器達を移動させることが出来る様にはなったけど、それは結局それだけだ。そんなんでこいつを倒せるなんて思ってない。確かに傷つけることは出来るけど、それは決定打にはなりえないんだ。そりゃあそうだよね。向こうは自由自在、臨機応変なのにこっちは落とすだけ。それも私はなんの力も籠める事は出来ない。


 そして決定的なのはここの武器達は、奴に敗れたアスタナ達の残滓。つまりはこいつらじゃあ黒鎧を倒す事は叶わないと証明してる。それか、もしかしたらこいつら全部にそれぞれ力というものがあるのなら……それらをつかえればあるいは……とか思うけど、私には移動して落とす、意外に出来ない。抜くことも出来なければ、ここの殆どの武器を振り回す程の腕力もないだろう。


「我らは……我らだけでは到達出来ない高みへ昇る為に他者を必要とする種。だからこそ……試すのだ。貴様が、そのパートナーに相応しいか」

「私は……あんた達のみたいなパートナーなんて欲してないわよ。私が欲してるのはラーゼ様だけ。あの方の傍にいたいだけ」

「なにも……できない者を誰も必要とはしない。乞うだけの者など、いずれは捨てられる。求めるのなら与えろ。そして……我を示せ。互いの魂に、互いを刻んでこそ、唯我転状。何物にも侵せぬ繋がりが生まれる。貴様は……乞うだけのブタか?」


 もしかして……こいつがみたいのは……しめせと言ってるのは力ではない? そして、この黒鎧は私の何もかもを理解していってるのかもしれない


――「示せ」――


 と。


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