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θ144

「さて、説明してもらいましょうか?」


 私の前には私を襲った奴が簀巻きにされて転がってる。あの後、私とメルのタッグはこいつをとりあえずボコボコにして皆の回復をして急いで帰還した。話をしそうになかったから、こいつにはメルが呪いをかけた。メルはマナが濃い所でしか生息出来ないから、アクワイヤまで行ったら消えた。他のマナ生命体も一緒だ。そしてこいつが言ってた意味が分かった。だって私達が使ってる船にはシシ達がいなかった。そして色々と血が悲惨してた。


 流石にプッツンきてこいつ、折檻しちゃったよ。しょうがないよね。だって私の物に手を出すんだもん。そういう奴にはお仕置きが必要だ。そして最後にメルが消え去る前に、こいつの記憶を探って陣を構成。動ける奴らを集めてこいつのアジトというか、拠点に乗り込んだ。そして今だ。今の私は相当機嫌悪いから、こんな建物消滅させるかもしれない。それを感じ取ってるのか、ここの奴らはいきなり平伏してる。


「おお、ついに……ついに次代の使い手様が帰ってくださった!」

「「「おお!!」」」


 さっきからこいつら、私の事見てなくね? 実はうすうす感じてたけど、こいつらが平伏してるのは私にじゃなく、サイオスとこの簀巻き野郎のような? それに使い手……ね。実はこの簀巻き野郎がどうせ喋らないだろうと思って、簡単に記憶を覗いた。メルの呪いと、私がマナの循環の元であるクリスタルウッドとの繋がりがあるから出来たことだ。誰もがクリスタルウッドと繋がってるからね。まあ細かいことは良いとして、こいつの記憶を覗いたことでこいつの目的とか、生き方とかはある程度わかってる。


 けどそれは表層だけどね。こいつ……とサイオスは武器に選ばれた種族らしい。名は『ウェアダン』この跪いてる奴ら……たぶん『アスタナ』とかいう奴らとは昔から一緒にいる種らしい。共生共存の関係の様だけど、種としてはウェアダンの方が上みたい。てかウェアダンって今はこの簀巻き野郎とサイオスしかいないみたいな……そうなると種としてかなり上に居ないとおかしい数だけどね。それともただ単に追いつめられていった結果なのか。

 だって一桁の数の種とか上位種の中でもトップ10行っちゃうんじゃない? けど私にこんな感じにされてる奴がそうだとは思えないからね。多分普通に数を減らしていった結果なんだろう。


「ちょっと私の事見えてる?」


 こんな絶世の美女を無視するか、よく出来るわね。けど私の言葉には相変わらず反応しない。そこでサイオスに喋る許可を与える。


「皆、この方の言葉に耳を傾けてくれ」

「この方は?」

「妻だ――ぶっ」


 とりあえず殴ってやった。こいつ隙あらば私と恋人とのたまう。そりゃあこいつが私を運命の人と思ってるのは知ってる。けどだからってつがいになった覚えはない。


「このマナの気配……まさかサザス様が仰ってた人種?」

「そう、ついでにそのサザスとかいう奴もそこにいるわよ」


 私は簀巻きを指さす。するとアスタナの面々驚愕である。ああ、気づいてなかったんだ。全身簀巻き状態だったのがいけなかったのかな? それともあのサザスともあろうお方がこんな醜態になってるとは思いもしなかったのか……それを理解してアスタナの面々はこちらに敵意を向けてくる。遅いよそれ。こっちはとっくにそのつもりで来てるっての。


「こいつの指示であんた達が私の船を襲ったのはわかってるのよ。今すぐ攫った子達を返しなさい。もしも傷一つつけてたら……」


 私はそこまで言って自身から規格外のマナをあふれ出させる。するといきなりこの建物自体が揺れた。サザスの記憶を見た限りでは確かこいつらのアジトは巨大な生物に建物くっつけて移動要塞みたいにしてた筈。てことは、私のマナでその生物がおびえたのかもしれない。


「これほどのマナを人種の身で……」


 皆が踏ん張るなか、そんな言葉をアスタナの一人が呟く。まあ脅しには十分なったかな? 


「凄い素材だ……」

「は?」


 素材? 何? 私は物か? こいつらヤバいな。この調子だと、シシ達がどうってるのか心配でたまらない。もしも本当に傷一つつけてたら私の全力を持って消し炭にしてやろう。私は再度その気持ちを確認した。


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