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θ140

 何か大きい音が聞こえた。そしてその余波なのだろうか? 私達はそれに充てられて大きくバランスを崩す。建物の陰に少しは成ってるこの場所まで衝撃が来るなんて……フィリー姉さまは無事なのだろうか? 


「なんだ今のは?」

「凄い音したよ?」


 ミラとコランがそんな事を言う。きっと二人ともフィリー姉さまの事を思ってるんだろう。すると複数の足音が近づいてくる。これってつまりは……絶対防御がやぶられたということなのだろうか? 私達は顔を見合わせる。互いに何を思ってたのか表情だけでわかる。絶対防御が抜けられたのだとしたら……もうおわりだ。どうしたら……するといきなりミラがお尻を触ってきた。


「ひゃあ!? こんな時に何すんのよ?」

「いけ! 登るんだシシ」


 そう言う事? いきなりセクハラしだしたのかと……けどのぼれなかったからこうやって肩車してるわけで……たしかにかなり近くはなったけどミラの肩に立ったとしても届くかはわからない。それに……


「フィリー姉さまは? 見捨てるつもり!?」


 私的にはそれもありだなーなんて思おうとしたけど、実際こんな状況になるとそんな事は全然思えない。フィリー姉さまがどうなったのか気になる。もしかしたら死……わたしはそこまで考えて振り払う様に頭を振るう。


「お前と……コランだけでも行け、シシが窓話に辿り着けば、コラン程度なら投げれる!」


 投げれるって……そんなバワーミラにあった? 確かに私達の中では一番力強いけどさ……けどコランだってそれなりにちゃんと成長してるわけで……数十キロの重さの物を簡単には投げれないと思う。けどつべこべ言ってる場合でもないみたい。


「フィリーの事は任せろ! だから……お前たち――」


 ミラの覚悟が見て取れる。年長組は自分達でどうにかすると……そういいたいみたい。けどそれは……何の保証もないことだ。ここで分かれたら……次会えるかなんてわからない。いつもちょっとウザいし、ラーゼ様をめぐるライバルでもあるから、一人だったらとか思ってたけど……いなくなってしまうかもと思うと、とても胸が苦しい。私今どんな顔してるんだろう。多分情けない顔をしてると思う。その証拠に私の顔を見たミラが顔を伏せてこういった。


「――行け!! コランを頼む」


 私を押し出したミラの顔は笑ってた。てか私は何の態勢も整ってなかったのに壁に張り付いた。どうして? と思ったら、種がわかった。ミラの影縫いだ。なるほどね。


「一瞬だけ解く! その瞬間に更に飛べ!」


 もう迷ってる暇はない。私は影縫いが解かれた瞬間に窓枠に向かって手を伸ばす。


「届け!!」


 思いが届いたのか私はなんとか窓枠に手を掛けて体を持ち上げる。


「やった!」


 そう思って下を見ると、コランとミラが奴らに囲まれてた。まだ囲まれるだけで済んでるのはミラが炎を辺りにまいてるからだ。けどあの炎にはあまり威力はない。それがわかれば……それはミラもわかってるからすぐに窓の下にスタンバイする。


「コラン! 走れ」


 涙目のコランが少しの助走をつけてミラへと向かうそしてミラの組んだ手に足をつけた瞬間にミラが上方へ投げる。それを見た奴らは焦って炎を超えて突撃してきた。ミラが彼らに押さえつけられる。そしてこちらをみた一人がこういった。


「そんな事をしたところでそこから中へは――」


 私は伸ばした手でコランを抱きとめる。そして窓から中を見てショートポイントを発動二人して内部へと侵入を果たした。けどまだ安心は出来ない。


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