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θ106

 俺の目の前にはゴブライダー達がいる。奴らは集まり、どこかへ向かってる。いくら俺が強いからといっても流石にあの数には向かっていかない。ゼーラと離れすぎたからか、補助魔法もなくなってるしな。あれにも、驚きだがこっちも相当な驚きだ。俺たちはデカいガンマジロとかなり多くのガンマジロ達を倒したはずだ。だが……それはどうやら一部だったようだ。まだまだ俺の視界の先には魔物がいる。


「まだこんなに……」


 思わずにそんな声が出る。だって優に百……か二百はいそうだ。しかもその中にはさっき倒したのと同タイプの巨大ガンマジロもいるんだ。これは……かなりきつい戦いになる。


「けど、一体どこに向かってる?」


 これだけの数がいるのなら、わざわざ引く必要があったのかと俺は思う。それを魔物を選択したという事実もおかしい。魔物は獲物を殺すまで襲い続けるのが本能の筈。そんな魔物が獲物を前に引くなんて事があるとすれば……それは上位の奴が命令を送ってたって事になる。そしてこの光景……何百という魔物が集合し、団結してるこの光景。それはつまりはそういう存在がいるって事だ。


「それは一体どいつだ?」


 俺はあわよくばそいつを……そう思いつつ探す。だってその統率してる奴を倒せばこいつらは瓦解するだろう。そうなれば、かなり楽になる。そしてその統率してるだけなら、一撃必殺でやれる可能性だってあるだろう。今は誰もいないし……アレを使えば……


「やはりゴブライダーのどれかか?」


 さっきの戦いでも奴らは参戦しなかった。それは奴らが引いてもいい立場にいるからではないか? ゴブライダーの中には更にデカい奴が三体いる。そのゴブライダーキングともいえるようなのは巨大ガンマジロにまたがってる。多分あのうちのどれか……それかあの三体がそれぞれ統率してるのか。けど同時に三体はやれない。その可能性は捨てる。そうかもしれないが、そうとは自分の中では思わない事にする。


「とりあえず一番強そうな奴が頭だろ」


 あの三体のゴブライダーキングも装備が微妙に違う。その中の一体が大きな角が生えたような兜をかぶってて、いかにも大将って感じがする。俺は奴に狙いを定める。谷の底を進んでる魔物の大群。上手く側面から攻撃仕掛けられるかもしれない。進む速度もそんなに早くないし、回り込むのは簡単そうだ。俺はさっそく狙えそうな場所を探す。そして見つけた場所はまさに丁度いい高さで側面から出っ張ってる場所だ。


 ここからなら頭上から強襲ができる。俺は手に入れた巨大ガンマジロの甲殻を撫でる。今まではそのまま使ってたが、それじゃあ一撃で倒すことは出来ない。だから変化させる必要がある。俺が撫でる度に甲殻は滑らかに溶けていき、その形を変えていく。


「一撃だ。その一撃に全てを込める」


 その思いを込めて変容した巨大ガンマジロの甲殻は一本の剣になった。しかも巨大な。だが俺には重さは感じない。俺は立ち上がり丁度眼下に来たゴブライダーキングに向かって飛ぶ。気づいたゴブライダーキングは持ってる槍のような武器を突きさしてくる。だがそれを体の回転で交わして巨大な剣を振りかぶる。俺が作り出したその剣は抵抗を感じることなく、ゴブライダーキングの体を一刀の元に切り裂いた。

 だがその時、頭に声が響く。


(あんまり余計な事はしないでください。貴方の役目は彼女をおびき出す事なんですから)



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