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θ101

 私は今、アクワイヤから少し離れた渓谷にきてた。しかも冒険者達を沢山連れてだ。なんか暇そうにしてたからね。もともとアクワイヤは観光地だからそんな冒険者も多くはない。だから丁度良く私たちが連れて来てた冒険者たちを狩りだしたというわけだ。


 まずは何があったのかを説明しましょう。どうやらここに大量のモンスターが確認されたという事だった。この渓谷もアクワイヤを通る道の一つで、ある商人からこの情報はもたらされたとか。この渓谷の下の方に大量の蠢く影が……みたい感じ。勿論それだけでいきなり大量の冒険者を動かすような緊急依頼が発生したりはしない。ちゃんと調査依頼が発生して、そして確認されたからこんなことになってるわけだ。


 敵の種類もわかってる。ガンマジロとかいうアルマジロを大きく凶悪にしたのと、人型のゴブライダーだ。ゴブライダーは乗り物に乗るゴブリンである。なので多分ガンマジロに乗ってるんだろう。でも確か、ガンマジロの最大の攻撃は体を丸めての突進攻撃だったはず。ゴブライダーが乗っててそれが出来るのだろうか? 


「色々とおかしな所かある……お気をつけて」

「わかってるわよ」


 そう耳打ちしてくるのは赤線だ。本当は私は来たくなかったんだけどね。だって練習大変だし……次でアクワイヤともお別れ。そのライブの為に、今はプリムローズとアークアで合同練習してるのだ。具体的には私たちの曲にアークアを加えたパフォーマンスを練習してる。だって短い期間に新曲とか無理じゃん。だからアークアよりも曲数の多い家と一緒に出てもらおうという事だ。だから振り付けとかフォーメーションとか色々と変わってこっちも大変なんだよね。


 はっきり言ってこんな事に時間を取られてる場合じゃない。私は別段運動神経がいいわけでもないからね。どちらかというと悪いし……要領がいい方でもない。家のメンバーで要領がいいのはシシくらいだ。あの子は大抵なんでも一発でこなす。多分天才肌なんだろう。その次に優劣はないかな? フィリーも器用だし、コランは素直だからスポンジみたいになんでも吸収する。ミラは誰よりも練習するから問題ない。

 ミラは強いて言えば練習しすぎないようにするのが大変。あの子は自分に嘘つけないから。怪我とかのリスクが一番高い。


 アークアの面々はどうかというと、案外皆頑張り屋だった。クーシェとかいう末っ子だけ色々と厄介だけど、お姉さん達はとても貴族とは思えないくらいにいい人達だ。確かに貴族としてのプライドはあるんだけど、それに固執してない。今やるべきことがちゃんと見えてる。だから私以外の言葉にも耳を傾けるし、そのおかげで他のメンバーともすぐに打ち解けた。けどクーシェは違う。あの子、お姉さん達か、私以外のいう事聞かないからね。


 プリムローズのメンバーは格下と思ってる。地位では間違ってないけど……アイドルとしては先輩なんだけどね。けどそんな状況下でも私がここにいるのはひとえに……


「やるぞゼーラ! プリムローズのライブに支障が出たらたまったものじゃない!! 皆殺しだ!!」


 そう今ここにサイオスの奴がいるからだ。


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