表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

33/2415

#33

「本当にラーゼ?」

「そ、そうだよ! この美貌がこの世界に二つあると思うわけ!?」


 いつでも噛める態勢のベルグの口の中で私はそう反論するよ。まさかこの美貌を忘れた? そんな事ありえる? だって私だよ。一度目にすると脳裏にまで焼き付くこの美貌だよ!? しかも二年でそれは更に磨かれてる。まあ私は寝てただけだけど。すると私の言葉を聞いてスズリは大きなため息を吐いた。

 

「はあー、そんなバカな事を言うのはアンタくらいね」

「失礼な。事実でしょうが」


 するとようやくベルグの奴が私から離れる。てかこいつ狼なわけだし、匂いとかでわかるでしょ? なんで攻撃してきた? せっかくの高級な服が汚れちゃったじゃん。所々穴も空いたし、その毛皮で弁償させるぞ。ベルグの毛皮は高く売れそうだ。

 

「生きてたんだ。助けようとはしたんだけど、どうにも出来なくてね。あの時は助かった。ありがとう」

「うん、まあそれは良いからお面取ろうよ」


 なんかお面のせいで感慨深くならない。だって顔見えないし……二年越しのお礼も実際そこまでいらないって言うかね。確かに私はスズリ達を助けたけど、あれはバルフゥルンデがプレッシャーかけて来たからだからね。まっ感謝してくれるのは良い気がしていいけどね。ようやくお面をとったスズリは二年でちょっと大人びてた。

 胸も更に成長してる様に見える。

 

「なんだか綺麗になったね」


 やっぱりこの年頃の女性には可愛いより綺麗の方が良いかなと? でもスズリは自身の成長にピンとしてない。

 

「そうかな? 胸が重くなったくらいで変わってないわよ」


 そういうスズリはその豊満な胸を持ち上げる。ぶるんぶるんしてるよ。こうやって目の前でみると、迫力が凄い。くっ、やっぱり胸も巨乳の範囲にしとくべきだったか? それなら今の年齢でも、もっと大きかったはず。でもバランスは良いんだよね。この育ちかけの胸も悪くないし、やっばり私は完璧だ。誰かを羨む必要なんてなかった。

 

「で、そっちのもうろく狼はなんて事してくれんのよ」

「ふん、貴様だから襲っただけだ」

「うわ、なんてやらしい奴。一年中発情してんの?」


 私襲われちゃったよ。この狼に! しかも私だからと、完璧に狙われてるし。ストーカー宣言だよ。

 

「ふざけるな! 誰が貴様みたいな化物に発情するか!?」

「ば……化物? リアル化物に言われたくないわよ!!」


 やっばりこの狼は一度粛清したほうが良いんでない? まあ無理だけど。だって私は一撃必殺。素早いベルグに当たるわけない。けどそれはこいつは知らないからね。ハッタリはいくらでも出来る。

 

「やっぱりその毛皮剥いでやろう――んー」


 ミスった。そういえば銃ないや。そもそも戦闘なんてやる気ないから求めてなかったよ。とりあえず指で銃の真似をする。これでも撃てるとは思う。

 

「貴様の強さは知ってる。が、我らもただ遊んでたわけではない。試してみるか? どれだけ成長したか?」

「えーと」


 やっば、この戦闘狂めっちゃやる気だよ。こっちは一ミリもやる気ないんだけど……なんかベルグの身体から青い闘気見える。本気モードじゃん。ちょっスズリっ――て、

 

「ベルグはもう誰にも負けない」


 こっちもじゃん! これだから野生は嫌い。文明がないもんね。強いものが生き、弱きは死す……それだけじゃん。誰か私を助けて〰とか思ってると、入り口から白い耳が出てくるのが見えた。あれは!

 

「すみませんが、決闘とかはご遠慮ください」


 うさぎっ子! やっばり私の大好きなうさぎっ子だった。救世主だね! 愛してるよ!! そんな私とは対象的にベルグとスズリはうさぎっ子を警戒してる。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ