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θ33

 何やら私が自分の所で優雅に楽してる間に皆は色々とあったみたい。結構疲れてるみたいだし……わたしは見世物みたいにしてただけだからね。まあ要所要所で笑顔あげてたけどね。それだけで私を見てる人たちは夢心地みたいな顔してた。なんかトランスしちゃったみたいなね。私は快適な温度設定になってる中、お菓子もジュースも用意されてたから、本当に楽だったんだけどな。けど他の皆はそんなことなかった訳で……たちながら数百人を相手にして、それこそろくな休憩なんて昼ぐらいであとはずっとファンの相手……笑顔を振りまく中、それはずっと緊張状態ってことで、それはこうもなるかって思った。


「お疲れ様」


 私は一つの楽屋に集まってる皆にそう声をかけるよ。朝から夕方まで、ずっとファンの期待に応える……流石にここまで長く緊張状態を保ったことなんて皆ないから、想像以上に負担があったみたいだ。皆ソファーにぐったりと体を預けて沈んでる。唯一、まだ余力がありそうなのがコランだ。コランは犬君達が持ってきた飲み物を手早くそれぞれの前に置いていく。


「ラーゼ様もどうですか?」

「それはコランのだから、コランが飲んでいいのよ。喉乾いたでしょ?」

「はい! ありがとうございます」


 かわゆい。はあ……癒される。私は普通に飲んで食べてしてたからね。むしろちょっとおなかがタプタプしてる感じ。


「コランは疲れてないの? 皆相当来てるようだけど」

「大丈夫です。今日はその……私なんかをいっぱいの人が励ましてくれて……本当に楽しかったです!」

「そっか……それはよかった」


 そう言ってキラキラした目をしてるコラン。そんなコランを見て他三人がなんか苦しんでるけど……この子たちは一体何をやってたのか。


「皆はどうだった? 有意義だったんじゃない?  曖昧だった人気っていうのがわかったでしょ? これだけの人があなた達と触れ合いたくて来るんだからね」

「そう……ですね」


 なにやら意識がこっち向いてない感じだね。


「嬉しくなかった?」

「それは……うれしかったですけど……けど」


 けどって言ったけど、シシはそれ以上続けない。何かあったのかな? なんか結構露出高い服着てるね。シシもフィリーも。サービス精神旺盛だ。私はそんなに自分を安売りしたりしないけどね。まあステージ衣装はどうしても露出高くなっちゃうけど。こういう触れ合いイベントでは普段の姿ってのも好まれそうな気がしないでもない。


「シシちゃんはー悔しいのよねー色々と頑張ってのに二位タイだったからー」

「二位? 私は勿論一位よね?」

 

 なんの話かしらないけどとりあえず自分が一番かどうかが重要だよね。


「ラーゼ様はエントリーしてませーん。だって私たちの中でーラーゼ様は常に一番だからですー」

「まあそういう事ならいいよ」


 私は永久に一番ってことでね。でも一体何を競ってたのか? あれかなファンの数? 今日競うとしたらそれしかなくない。だってそれぞれのファンの姿が可視化されたわけだしね。そういえば犬君達か必死に何か数えてた気がする。


「で、誰が一番だったの?」


 私のそんな言葉に皆なんか言いづらそうな雰囲気に……コランもなんかもじもじしてるし。私も興味あるんだけどな。するとフィリーが代表していってくれる。


「一番はコランちゃんですよー。そして二位はー私とーシシちゃんー四位にミラちゃんですー」


 その瞬間ミラがさらに深くソファーに沈んだように見えた。頑張ってるのにねミラ。ちょっと硬そうな所がいけないのかな? でもまだまだこれは一回目でしかない。これから定期的に開いていく予定なのだ。だって今日だけでがっぼがっぼだったからね。こんなおいしいイベントをやらない手はない! これはそのうち総選挙とかすべきだろうか? 私はそんなことを考えつつ、今日のイベントに満足するよ。

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