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θ5

「大丈夫、皆別にコランの事をイジメたいわけじゃないのよ?」

「ほんとう……ですか?」


 ゴク――それは私だけじゃない。コランの事を狙って集まってた男どもも今のコランの様子に喉を鳴らした。だって涙目で上目遣いで見てくるんだよ? 可愛すぎか! この子、無意識に男落としちゃうタイプだよ。実際コラン目当てで集まってた男どもがぽや〰ってしてるし。私に夢中だったコイツ等を一瞬にして自分の方へ向かせるなんてやるじゃん。

 

 流石は私の見初めた子。ちょっと悔しいけど、この娘の泣き顔見ると、まあ良いかな? と思える。これが可愛いの力だよね。

 

「勿論。ねえ? そうでしょ?」


 私のそんな言葉に、集まってた男どもがものすごい勢いで頭を縦に振るう。

 

「皆、コランの可愛さがたまらないのよ」

「そんな……私なんて……ラーゼ様に比べたら全然……可愛くなんて……」


 そう言って熱い視線をコランが私に注ぐ。今はまだ順調だ。彼女の私への高感度はとても高い。まあ恩人でもあるからね。プリムローズのメンバーは皆それぞれ事情を抱えてるのだ。とても幸福に生きてきたとは言い難い。けど、そんな人生に光明を刺したのが私という存在。私という美少女。この視線はまあ当然というものだ。私ってなんか最初はとても神々しい存在として扱われるんだけど、案外深く関係が進んでくと扱いが雑にされがちというか……まあ良い言い方をすれば、フレンドリーになったと言えるけど、私はいつだってお姫様扱い所望なのだ。

 

 いや、それがされなくなるって訳では無いんだけどね。皆私の事、とても甘やかしてくれるしね。けど既に蛇とか私に仕事は笑顔振り巻く系しか振ってこないからね。楽でいいけどさ。もっと頼って良いんだよ? って思わなくもない。別に何が出来るわけでもないけど。まあそんなことよりも、皆私に美しいまま、楽しくいて欲しいみたいだけど。

 

「何言ってるのよ。確かに私は超絶かわいいけど、コランも私には及ばないけど、可愛いから! 可愛いから!」


 私はそう言ってコランをギュッとする。柔らかくて暖かい身体。そして密着したことでわかる彼女の甘い匂いが私の鼻に伝わってくる。幸せ。私達の包容に周りがどよめく。まあ美少女同士の包容ってほら、尊いからね。下半身にぎんぎん来てる事でしょう。まあそんな汚い物、コランに見せたら重罪だけどね。でもでもアイドルだから勿論、純血のままでいて欲しいのは当然だけど、コランは男の人をとても苦手としてるからね。

 

 それは早めに改善したいと思ってる。ファンサービスって大事じゃん。

 

「大丈夫、私が居るからね。皆コランが好きなだけ」


 まあ、イヤラシイ願望もあるだろうけど、そこはまだ伝える段階じゃないよね。私の言葉に一度周囲を見回すコラン。そして涙を拭って私から離れた。

 

「あ……あのあの……あ……あ……ありがとうございます!」


 それだけ。けど、それがコランの精一杯だってわかる。頭を下げた彼女は震えてる。でもちゃんと向き合ってくれた……その事実がきっとファンの心を満たすんだ。

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