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&569

「おおおおおお!! これが……これが始祖の力!」


 メイクを施された始祖の龍は従順だった。撫でた後にカサノヴァは自身の目的である宇宙の種を差し出す。


「さあこれにその力を注ぎなさい」


 そういって始祖の龍はその力を注ぎこむ。すると宇宙の種がパキパキ――と音を出す。ヒビが入ってる……とかじゃないよ。私渾身のギミックが今! 花開こうとしてる。カサノヴァのテンションは今、絶頂のはずだ。


 綺麗な花を咲かせるように、ただの石のようだった宇宙の種が花開く。そしてその中心に力が集まる。そしてその花の中心から、小さな私が現れる。


「ざんねーん! これは宇宙の種なんかじゃありませーん!! きゃはははははははははは! ねえ、今どんな気持ち? ねえ教えてよ?」

「…………………………は?」


 小さな私の煽るような言葉……それに対してカサノヴァは完全にフリーズをしてしまった。もしかしたら私の印象なんてなかったのかもしれない。たくさんの神をこいつ滅してきてそうだからね。敵対してきた神は許してそうにないし? カサノヴァはあの性格上、敵が多そうだ。私もそんな滅してきた神の一人でしかカサノヴァにとってはないのかもしれない。

 それにカサノヴァ的にはもう終わった神。殺したはずの神……だもんね。「何こいつ?」――となるのはしょうがないのかもしれない。でもきっと、もう忘れることはできないよね。だって私に騙されて、あんたは終わるのだ。


「あんた……は……」

「思い出すもそうじゃなくても、もういいです。ただ理解してください。貴女だけの宇宙はどこにも、ない」


 私のその言葉にカッとカサノヴァは激高したようだ。


「きいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!」


 とかいう変な声を出して、私が渡した宇宙の種ごと、それをたたき割る。それで少しだけ溜飲が下がった? でもそれを感じる間はなかったかもしれない。だって……


「ガハッ……」


 カサノヴァの体からはゲーミング張りに光り輝いてる始祖の龍の爪が貫いてたからだ。


「なんで……あんたはもう! 私より下でしょ!!」


 一突きくらいでは神は死なない。メイクを通して、始祖の龍を支配しようとするカサノヴァ。一時的には確かにその意思を誘導できたのかもしれない。でも……


「ひっ!?」


 凶悪で……そして規格外の力が始祖の龍からあふれ出す。そしてそれは……カサノヴァが命がけで施したメイクを始祖の龍の本来の色に染めていく。

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