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「これは……ふふ、上手くやったようね」
そんなことをカサノヴァは呟いた。どうやら供給されてきた力を受け取って、思わずそんな言葉がでたみたいだ。まあそれはそうだろう。だってカサノヴァ的には「やれ」――といったが「これほど」――とはおもってなかったはずだ。なにせ既についてくるタイプの奴らは連れてきたんだから。
そしてそいつらは既に自身の新たな世界のための礎となった。だからこそこんなに……だろう。カサノヴァもそこまで大きな力がやってくるなんて期待なんてしてなかったとおもう。
でもここまでやったんだよ? なら、もちろん、完成……させてくれるよね? どうやらあの命令からそんなに時間は経ってないはずだけど、カサノヴァは結構消耗してる。それに……そこそこメイクは進んでた。どうやら二本の前足もメイクを終わらせてる。どうやって? とおもったけど、どうやらカサノヴァは自身の魂をつかったみたいだね。あのカサノヴァが!? とおもうが、でも背に腹は代えられなかっんだろう。
それにきっとカサノヴァ的にはここで確実に宇宙の種を開花するための原始の力を得るためにも無茶が必要だと思ったんだろう。まあそれは私のでまかせだけど……しょうがない。
だってカサノヴァが良いやつじゃなかったのが悪い。私を一度は殺したのが悪い。その報いはちゃんと受けてもらわないと、フェアじゃない。かなりゼァハァいってて、消耗もしてたカサノヴァ。でも前足もメイクを済ませす下半身もメイク済みともなると、始祖の龍もできるのは単純な攻撃手段が体当たりとか噛みつき位しかないからね。
どうにかこうにかなってたみたいだ。ヴァラヴレレイドやら他の真竜改の面々の攻撃が当たったらメイクが壊れるんじゃない? とかおもうんだけど、どうやらそんなこともないらしい。多分あのメイクは表面に施してるってだけじゃない。
神の魂を使った、神のメイクだからね。きっとその存在に刻まれてるんだろう。もしかしたら始祖の龍はあのメイクをほぼ気にしてないように見えるのは、自身の姿を最初からそういうもの……と認識させられてるから……かもしれない。
それでも違和感があるから、体の内からなにかできることをするかもしれない。それが最初のメイクを吹き飛ばした咆哮とかね。咆哮とか完全に外だろって思えるが、あれは外のカサノヴァたちにも、そして始祖の龍自身にも影響を与えてた。だからきっとなにか……を始祖の龍は感じてる。何回か実際咆哮してるからね。
でも今回のメイクは簡単にはくずせない。そしてメイクが進むたびにその侵食が進むと慣れば、自然と咆哮が少なくなっていく。だって違和感がないんだからね。事実、今はもうあんまり吠えない。
でももしかしたら別の理由で吠えることってあるよね? それこそ気合を入れるとか、怒るとかである。それで吠えてメイクが意図せず剥がれる……とかなったらカサノヴァの努力は水のあわ。あと少し……なんだ、それまでこれまで通り……を維持するのもヴァラヴレレイド達のやくめかもしれない。




