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&499

「それはちょっと冷たくない?」


 私はそんな風に蝶にいってみた。だってこのままでは始祖の龍のほうに肩を持たれてしまう。そうなると私に協力されない。いや、この蝶は別に始祖の龍の肩を持って現宇宙の食事に力を貸す……なんてことはないだろう。

 そんな積極的に手を貸すなんてことはないと思う。でも……それは私に対してもそうなってしまう。このまま「あはは、そうだよね」――で締めてしまったら、蝶が私に協力する口実をなくしてしまうのだ。

 はっきり言って私だけであの始祖の龍に勝つのはかなり厳しい……と言わざる得ない。それに今あいつは現宇宙という成熟した宇宙を食べてるのだ。それによってまさにその力を高めてるといっていい。

 私と始祖の龍には明確な差があるのに、今もその差は広がってるんだ。私はなにせ生まれたての赤ちゃんみたいな始祖なんだ。何回あの始祖の龍が宇宙を創造して、そして食らってきたのかしらないが、きっと今回が初めてってことはないと思う。


 つまりはそれだけの差がある……ということだよ。その差を埋めないと、どうあがいても私が始祖の龍に勝てるビジョンってないんだよね。だからこそ、私はこのまま新生宇宙の方にフェードアウトしたいと思ってる。

 本当はアーミュラとかも救ってあげたかったけどさ……まあ始祖のパートナーとなってる分には、いいのかな? って割り切ることもできるし? あとは本当にヴァラヴァレレイドの気持ち次第っていうか? 本当は戦いたくなんてない。あんな始祖の龍なんかとはね。


 でもなんか嫌な予感がするんだ。そう、イヤーな予感。これは女の直感みたいなものである。根拠はない。でも女の勘って侮れないでしょ? それに私は始祖だし。私はリスクはなるべく減らして行動したいタイプだ。勝負とかもそう。

 私は勝てる勝負しかしたくないタイプだ。仕掛けたときにはもう勝ち確定――という状況を作り出して挑みたい。それ以外ではなるべく逃げたい。卑怯? いやいや、安全策といってもらいたいよね。戦いにいつもギャンブルを求めてたら、そんなのいつかは絶対に破滅するじゃん。

 私はそんなの御免だ。私は常に勝利者側でいたいのだ。そして今回、そのピースはこの蝶としかおもえない。だってそこらの存在では始祖と対抗なんてできないんだ。けどだからって他の始祖に会えるなんて思ってなかった。

 よしんば会えたとして、新たな敵になる可能性だってあったからね。でもこの蝶には敵となる可能性はほぼない。ならば、味方につけるしかない。つまりは私にとって、この蝶は希望なんだ!

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