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「イセノ神様、早く!! ここはもう持ちません!! この宇宙はもう……」
「わかってます。ですがもう少しなんです。もう少しで、この暗闇に閉ざされそうな宇宙に光をもたらせる何かが見えそうなのです」
私は占いの盤に手をかざしつつそういいます。今、宇宙は次々と食われていってます。私の盤に再現してたこの宇宙も、次々と闇の中へと消えていってる。私の目がもう届くことはない闇へと……いいえ無へと消えていく。何も感じず、そして何もない無。何もないから未来も今も、そして過去も……すべてがないから、見える訳がない無。
なくなったものはもう何も見ることも感じることもないが、残ってる宇宙はまだあります。そのためにも、光が必要なのです。誰もが諦めてしまいそうな状況ですが……この状況を好転させる何かを探して私は占いを続けてる。
だって私にはそれしかできません。戦いの力なんてないのですから。そもそも戦うことに意味はない。なにせ相手は始祖の龍。それに抗うなんて……無意味です。あの存在にはどんな存在も勝てません。
占いでもそうでてます。あれに立ち向かうだけ無駄だと。ならばどうするのか? それを解決するための占い。この宇宙の存在にはなんの対策もないように思えます。脅威がせまってるのはわかってました。
ずっと昔から、大きな目覚め……それは感じ取ってたのです。でも私の占いではもっと先のはずでした。
そして私は占いで少しずつその大きな脅威への解像感を高めてた。いずれ、もっと見えるようになるはずだった。でもいきなりこんな復活をされたらこっちの予定はすべてが狂う。それでも、私は占いを続けてた。
そしてわずかな光を見たのです。
「もう時間がありません!」
「だめです! これだけは見なけれはいけません!!」
私は私を運び出そうとしてくる神の腕を振りほどき、占いを続けます。だってもう少しで見えそうなのです。そしてこれはこの宇宙の運命を決める一手になるでしょう。それが私にはわかってる。だからこれを見逃すなんてことはできません。
「見せてこの宇宙に必要な存在を」
「もうだめだ……この宇宙は終わりなんだよ」
私に突き飛ばされた神がへなへなと座り込む。気持ちを奮い立たせてここまで来てくれたけど、どうやら私の拒絶のせいでプッツンとそれが切れてしまったようです。もしかしたらここに来る前に始祖の龍を見たのかもしれないですね。
あれをみたら、神といわれる自分たちがどれだけ矮小なのか……それが分かってしまいます。神なんだから私たちは強大な存在だと大体は思ってます。でも、比べるのもおこがましい存在……それを見てしまったら、こうもなってしまうでしょう。
「まだです」
「え?」
「まだ希望はあります」
私は占いをやめて、彼に手を差し伸べました。まだこの宇宙の光は消えてはいない。ようやく見えました。




