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私の恋心を利用しようとしてくるとは、ウサギっ子も悪い子なってしまったね。いったい誰の影響なのか……私かな? 私だよね。けどそういうちょっと悪い女はやっぱり魅力的だからね。よし! けど悪い女に悪い女はなかなかに効きづらいというのも覚えておいたほうがいい。
私も自分がそんなに性格よくないってわかってるから。ぐへへ……とはなるが、ちゃんと冷静になれるのが私である。ただ惚れてるだけなら、「わかったぁ!」とか脳死で答えてただろう。だってそれが恋愛脳ってやつでしょ? 目の前が見えなくなるのが恋愛脳だと私は思ってる。
まあ私自身はそこまで誰かにほれ込んだってことないが。それこそ一番執着してるのはウサギっ子だと思うけど、そんな彼女を前にしても、私はちゃんと冷静な私がいるからね。
「間違ったねウサギっ子」
「なにが? あんた私が好きでしょ?」
自信満々だね。いや、そうだけど。確かに私はウサギっ子大好きだけど。嫌がってもクンカクンカスース―するもん。そこに拒否権はない。
「好きだね。それは間違いない。でも、今は普段とはもっと違う甘々なウサギっ子で来てほしかったかな? ほらリテイクして」
「やんないわよ。なんで私があんたに媚びないといけないのよ」
人……いや私は神を超越した始祖だけど、ギャップが好きだ。それはすべての生命体にいえるだろう。いや、この新生宇宙ではそうしよう。今決めた。どんな生命もギャップが大切……とね。新しい宇宙のルールができてしまったよ。
「ほら、これならいえるでしょ?」
「わた……しはこの宇宙の……の存在じゃ……」
私はちゃんと宇宙のルールにギャップを使うこと……を明記しておいた。いや、なにか紙面にしてるわけじゃないが……私の意志の反映はとても簡単なのだ。なにせ新生宇宙では私がルールだからね。
私がにやにやしてウサギっ子のギャップを期待してると、なんとか反抗してたウサギっ子だけどその眼にはいきなり涙がたまってきた。私はちょっとぎょっとした。だってそこまで嫌だった? と思ったからだ。でもどうやら、それは宇宙のルールの強制力みたいだった。
目じりにたまった涙はぽろぽろと大きな粒になって落ちだす。そして顔を真っ赤にしたウサギっ子はこういったんだ。
「ラージェェ……シてくれないの?」
ズキュュュュン! である。これには私のハートが撃ち抜かれた。こんな風に言われて何もしないなんて乙女が廃るというもの!! 私はウサギっ子の体にダイブした。そしていっぱいそのにおいを吸う!!
「違う! 今のは私の意志じゃない! それにそっちじゃないから!!」
なんかウサギっ子が言ってるが、もう止まれないよ。
『ラーゼ……おい、ラーゼ』
なんかズラララバライトの声が聞こえるが、私はそっちに反応することはなかった。まずは愛をはぐくまないとね。現宇宙? そんなのは後回しだ!!
 




