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Σ74

 私と鉄血種のオジサンはゼウスの中で相対する。銀色の瞳が真っ直ぐに私を見てる。それは全てを見透かしてるかの様なそんな瞳だった。今までの鉄血種とは明らかに違う。落ち着きが無いやつばっかり見てきたけど、もうこの人、落ち着きの塊だよ。そう思ってると、腕につけてたデバイスにノイズが走る。ゼロ? いや、ゼロならこんなノイズ走らない。

 

 ってか、ゼウスがこの状態でも通信できるのか謎だし……ゼウスのオペレーター陣は今はそれどころではないだろうし……一体誰が私によびかけてるのだろうか? 気になる……けど、迂闊に視線を外すわけには行かない。だってこの鉄血種は今までのやつよりも相当ヤバイと肌でわかる。一瞬の油断がそれこそ死に直結するだろう。

 

『――ザザ――こ――ザザッ――こ! きこ――ザザ――か?』


 断片的な声は聞き取れる。けど誰かは分からない。予想的にカタヤさんかベールさのどちらかだと思うけど……こんな時に一体何を? 

 

『そっち――ザザ――種――ザザ――行った。――か、――ザザ――うな。ザザ――逃げ――ろ!! そいつ――は――ザザ――つは――』


 そこまで聞こえてプツって通信は切れた。どうやら何かの警告を発してたようだけど……この場所で気をつけない奴なんて居ないでしょ。居たらそいつは相当なアホか、大物かのどちらかだよ。

 

 そして私はどちらでも無いから最大限に警戒してる。とりあえずさっきの通信はカタヤさんかベールさんのどっちかはまだ無事だとわかったと思っておこう。ゼウスがこうなった以上、指揮系統さえ混乱してるだろうしね。全部の戦況の把握なんてもう不可能だ。ここからは更に犠牲者が増えてくだろう。その中に私やカタヤさんやベールさんが含まれない保証なんてないんだ。

 

「ふむ、まだ生きていたか」


 ポツリと渋いオジサン鉄血種は呟いた。まさか今ので理解できたの? 私も無理だったんですけど。

 

「人種は遅い。遅過ぎる。…………が、確実に前に進んでる。我等と違ってな」


 何を言い出したんだろうこの人は? まるで人種を評価してるかの様な口ぶりだけど……まさかね。だって鉄血種だよ。人種を餌としか見てないあの鉄血種だよ。その鉄血種が実は人種を評価してるなんて事……あり得ない。

 

「何を驚いてる? 俺たちは何もただ食ってただけではないぞ。管理してたのだ。それが我等の役目だからな」

「管理?」


 なにそれ? 役目って一体。それにどうして私にそんな話をするのだろう? ヤバイ頭がこんがらがってきた。

 

「そうだ。人種が増えすぎない様に。助長しないように……ある一定の境界線を超えぬようにな」

「それが人種の為だったとか言わないよね?」


 そんな事言われてもこれまでの人種の恨みは消えないだろうけどさ、ちょっとやりづらくはなる。

 

「それは違うな。世界の為だ。世界の秩序のため。我等が真祖様は管理者であるからな」

「管理者?」


 大層な肩書が付いてきたね。真祖は世界の一柱で管理者ですか……神、なのかな? 向こうの世界でなら、そんなの笑い飛ばせた。けど今は笑えないよ。だってここには様々な種族がいて、そして魔法があってマナが世界に満ちてる。神様だっていたっておかしくない。

 

「貴様達が知る必要は無いことだ」

「その割には色々と教えてくれてるみたいだけど?

「それは君が超えたからだ。そして手にした。ハステーラ・ペラスを。境界線は超えられた。ここ最近の人種の快進撃を見てもそれは明らか。我等はその役目を終えたのだ」


 なんだかよくわからないが……とりあえずもう退職したお父さんみたいな感じってことかな? それならニートになってぐーたらしてくれるの? 元の世界ではうざがられる存在だろうけど、今は大歓迎するよ。クラッカーとか鳴らしちゃうよ! ないけど。黒い炎で我慢してくれるかな? なんかすっごく特別な炎みたいだし。

 だめ? だめ?

 

「それじゃあもう……」

「だからこそ、再び人種は数を減らさねばならない。文明などと言うものが無くなるほどに」


 そう行ったオジサン鉄血種は両の手に黒い剣を出した。曲線が美しい剣が二本……そして同時に威圧感が衝撃波となって襲ってきた。私はなんとかマントを使って耐えた。ヤバイ……やっぱりやる気満々だよ。

 

「再び滅びの道を行きたくなければ、我等を倒してみせよ人よ! 我々が上位へと挑む最初の壁となろう!!」

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