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取りついたアクトパラスは大きな始祖の龍にとってまるで寄生虫みたいなさ……そんな感じに張り付いてる。けどあれからどうするのか? てかあんな胸のあたりにいたら、普通に始祖の龍の手からペチッとされて終わるような……
「え?」
なんか私をめっちゃ始祖の龍が見てる気がする。いや、見てるというか……睨まれてるといった方がいいかもしれない。なんかめっちゃ敵意を感じるぞ。いやいや、これで怒るの? もっと痛い事あったでしょ? それなのにどうして今、そこまで怒ってるのか……
「彼らが何をしようとしてるかわかんないけど、都合がいいじゃない? 頑張ってあげれば?」
ウサギっ子め……自分は狙われてないからって勝手なことを。始祖の龍はやばいんだからね。そんな奴があんな風に怒ってるのはやばそうだ。始祖の龍の体に寄り添ってるアーミュラがなだめたりは……してくれないよね。
始祖の龍は早速私に向かって突進してくる。とりあえずよける。
「は?」
私は驚いた。避けたのに、なんか状況が変わってないんですけど? 何を言ってるのかわからないだろう。確かに私は避けた。デカい始祖の龍の突進を素早くバビュッとね。そして始祖の龍は後方に行ったはず。でも今、始祖の龍は目の前で突進してきてる。おかしい、運命が私と始祖の龍をぶつけようとしてきてる。これが運命の出会いってやつ? 御免だよ!!
「ええい!!」
私は大きく息をすって体をそらす。そして口をおもいっきり開けて、始祖の龍にむけてブレスを吐く。黄金色のブレスだ。それが始祖の龍の表面にあたって、四方に拡散する。全然効いてないよ!! この野郎……勝手に私の運命に入ってくんな!! 私の運命にあんたは必要ないんだ。それなのに強制的に私の運命に介入するとは……このまま逃げてもきっと始祖の龍は本当に運命とか輪廻を強制的に操れるんだろう。だから自分の攻撃を必中にさえできる。
「大変そうね」
「ウサギっ子助けて!」
「あんたは始祖でしょ?」
「ここじゃ向こうが始祖なのよ!!」
ここは始祖の龍のホームなんだよ。確かにここは私の宇宙だよ? けど大家さんは始祖の龍なんだ。私たち神は始祖の龍が生み出した宇宙を借りてるに過ぎないのだ。だから、大家がいきなり家賃をあげてきたって文句は言えないし、出てけって言われたら何もできないのだ。守ってくれる法律? それこそ始祖の龍だよ!?
「新生宇宙まで逃げる?」
「それは無理。今はダメ」
下手に新生宇宙への道をみせる訳にはいかない。だからとりあえず私はブレスを吐きつつ、ウサギっ子の転移で突進から逃れる。けどやっぱり逃げれてない。どこに移動しようと、始祖の龍の運命がせまってくる。
こんな運命嫌すぎる。




