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よくわかんないが、私達はアクトパラスの後についていく。なにせもう始祖の龍が来てしまったんだから、やるしかないってのが大きい。やけに自信満々のアクトパラス。けど私たちの誰も、あの始祖の龍をアクトパラスがどうにかできる……なんてのは思ってない。だってそうでしょう。アクトパラスは確かになんかよくわかんない力に目覚めてるが、それでも下位の神だ。
中位にだってなってない。私のように後ろ盾に古龍がいるとかなら……まだわかる。まあそれでも始祖の龍にはどうしようもない……と思う。この宇宙の存在では始祖の龍では太刀打ちできないし? それが一番デカいよね。今までの戦いでこの宇宙の力では始祖の龍に通用しないのは嫌というほどにわかってる。それはどんな存在でもそうだ。
神だって龍だって……その力がどれだけ強大でも始祖の龍には通じない。それを私たちは感じてきた。だから……「いや無理でしょ」――とか思ってる。そもそもが、アクトパラスの力は別に高まってる……とかないけど……けどゼンマイとアクトパラスには何かのつながりがあるんだろう。そもそも星にいたときからこの二人は組んでた。そして神になってもだ。
結局の所、私を入れることはなく、二人でずっとやっていく気だったんだろう。もともと私は宇宙をつくる為に利用したに過ぎないよね。まあおかげで助かったけど。どれだけ二人は仲いいんだって……魂の回廊とか結んでる? その可能性はある。私たちが外側から見ても、二人の繋がりはそこまでわかんない。けど魂の回廊は魂の結びつき。だから外で見えるものじゃない。
『くるぞ』
ルドルヴルヴの声。小さく見える始祖の龍が大きくその羽を広げて、その体から血管のような細かな模様を宇宙に広げる。それがひろがっていくと、その部分から宇宙が分解されていく。私の宇宙を好き勝手に……そういうのはむかつくよ!!
(押し戻せないかな?)
私も始祖だ。ああいう宇宙の食い方があるとはしらなかったが、始祖の龍に出来る事が私にはできない? そんなこと……ない!! どんどんと私の宇宙に広がっていく始祖の龍の血管のような模様。それを押し戻すために私も同じポーズをとってみる。大きく羽を広げて……
(えっとこの後は……力を宇宙に浸透させる? いや、新生宇宙の力じゃまずいか?)
でも現宇宙の方の力じゃ始祖の龍の力の完全下位互換だからね。意味なんてない。ならば……この宇宙が壊れるとしても、新生宇宙の力でやるしかない!