表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2383/2426

&448

『来るぞ』


 そんな風にルドルヴルヴの声が脳内に響く。するとその宣言通りにやつは……始祖の龍がやってきた。まだ点位にしか見えないが、やつの大きさ的にすぐにデカくなるだろう。そして……そしてやつならこんな辺境でも最小の宇宙なんてデザートにもなり得ないくらいだと思う。

 それそこ一飲み……椀子そばの一杯くらいだろう。あれって何回も何回も注がれて食べるから満足感を得るのであって、一杯で「はい終了」――といわれたら「え?」となるのはうけあいだ。


 つまりは始祖の龍にはこんな辺境の宇宙なんて満足できない……ということだ。だから……


(来なくて良かったのに……)


 そう思う。もっと大きなメインディッシュが有るでしょうが!! 辺境は前菜にはちょうどいいかもしれない。でもその殆どをすべて食べつくしたんだからメインディッシュとかにいってよ。まあ順番的に次は中位の神達の領域になるとは思う。

 上位の神の宇宙がメインディッシュなら、中位が前菜となるかもしれてい。ならばここ辺境で下位の神の宇宙は前菜にもなれないオードブル的な? そんな扱いだったのかもしれない。

 てかそれならよりちょっとくらい食わなくてもいいでしょ。だって前菜からが料理じゃない? コースではないかな? メインディッシュの為にワクワクするのなら、ちょっとくらいのオードブルは残しても……ね。いいじゃん。そんなにこいつ「お残しは許しまへん!」的な精神を持ってるのか?

 持ってないよね? そんな律儀なやつじゃないと思うし? でも来てしまったものは仕方ないよね。


「ちょっともう始祖の龍来ちゃったわよ?」


 私は未だに聖杯に頭を突っ込んでジュワジュワしてるゼンマイにそう声をかける。だってそれをやってるだけで始祖の龍に対抗できそうななにか? が起きるわけもなく……ゼンマイには変化が起こってるけど……それをどうしたらいいのかこっちにはなぞだ。


「行くぞ。今なら……やつを食える」

「どういう事?」


 私は大きな龍の形態で小首を傾げる。いや龍の形態だと小首なんて言えないけどね。太首? いやいや太首なんて可愛くない。だから却下である。それよりも今なら食えるって……随分な自信だねアクトパラス。

 どういうことが説明してほしいよ。でも……アクトパラスは何かをいうことはなく、始祖の龍の方へとむかった。わたしたちは視線を交わして、とりあえずアクトパラスの後を追うことにした。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ