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&440

「龍になるだなんて、相変わらずおもしれ―奴だな」

「カサノヴァ神に殺されたと聞きましたが?」


 どうやら私は二人からしたらおもしれ―女枠だったらしい。失礼な奴だ。この絶世の美女をおもしれ―女の枠に当てはめるとは……なかなかに許せることじゃない。まあこいつらからしたら、たしかに私はなかなかに面白い奴だとは思うよ。

 ズラララバライトだって私を目当てにこんな辺境まで来たからね。そのおかげで私たちのこの宇宙は特別になったといってもいい。アクトパラスとゼンマイのプラン? はきっと大きく修正されることになっただろう。私は神になった時点でもう野心なんてものはなかった。けどどうやらこの二人は違ったみたいだからね。なにか目的があったと思われる。それが何なのかは一切知らない。興味なんてなかったからね。


「殺されたのは本当だよ? まあそれを利用したんだけどね」

「カサノヴァ神は上位の神です。それにやられて無事だったと?」


 そういってゼンマイの目が一点を見た。それがヴァラヴァレレイドだ。それで何を言いたいのか? を察したよ。だって私はあの時時点で下位の神だった。それは事実だ。そして私を殺したといわれてるカサノヴァ神は上位の神だ。下位と上位では明確な力の差がある。神の世界で下剋上がないとは言わないが、下位が上位に勝つ……というのがあるのかはわかんない。

 そんな神の歴史に私は詳しくないし? けどさすがにそれは……とは思うよね。だってきっとそれって中位が上位に下剋上した……とかだと思う。それならまあ、起きそうな気がする。けど下位が上位には……ね。厳しいよね。だからこそゼンマイもこういったんだろう。私が上位の神であるカサノヴァ神に殺されたのに無事だったことが不思議なのだ。

 だって神を殺すことの難しさは上位の神程わかってるだろう。当然だよね。だからこそ、抜かりなくそれを実行したはずだ……とゼンマイは思ってる。そしてそれはあってる。カサノヴァの奴だって私が生きてるとは思ってないだろう。そして上位の神から私を助けれる実力がある存在といえば……それはやっぱりゼンマイが見てるヴァラヴァレレイド……それかズラララバライトしかいないだろう。あの時私が切れる駒で上位の神に対抗できる……となったらその二つだ。だからヴァラヴァレレイドを見てるんだろう。まあけどヴァラヴァレレイドは何もいわない。

 そもそもヴァラヴァレレイドは私以外にあんまり態度よくないしね。


「まあ別に私が生きてようが二人にはどうでもいいことでしょ? 気にしないで」

「気にしないでと言われても……神が龍になるなんて聞いたことないぞ?」


 まあ確かに。アクトパラスの言うことももっともである。でもそこらへんもスルーしてほしい。だって別に説明するのも面倒だし? さらには……


「それに……そこの奴も『神』の気配がするぞ」


 ばれたか。これだから勘が鋭い奴は厄介なのだ。ただの私の眷属だと思っててくれたら楽だったのに。ウサギっ子が神になってるの、ばれたか。

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