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&439

「あれが始祖の龍……」


 真剣な声でうさぎっ子がそういった。流石に辺境も辺境だけど、始祖の龍が暴れるうちに辺境の宇宙はもう……ほぼ崩壊してる。そして残ったのは私のちいさな宇宙だけ。


「てかどうするの? あんたまで……いやあんたたちがここに来たらこの宇宙だってあいつにやられるわよ」


 それはそのとおりだ。私の宇宙は狭い。始祖の龍にとっては一口で食べられるデザートみたいなものだろう。そんな所に私達集まってるわけで……まるで小さなケーキに乗ってる状態だろう。実際もう、この宇宙にはめぼしいものはない。いや、聖杯があるか。聖杯のエネルギーを新生宇宙のエネルギーがでてくるようにしたかった。

 それだけが心残りになっちゃうね。だって聖杯は本当にとてもありがたい存在だったからだ。私のような辺境で広さも星もそこまで広げれない神が、宇宙と星を持ってる以上の力を持ってられたのは一重に聖杯のおかげ……だしね。

 だからどうにかして聖杯を新生宇宙にもっていって、新たに新生宇宙のエネルギーを生み出してほしかった。

 けど……それはどうやら不可能みたいだ。だって聖杯は宇宙のバグを利用してエネルギーを生み出してる。それはこの現宇宙のシステムの穴をついてバグを利用してるのだ。そして現宇宙と新生宇宙はそもそもが全く違う。だからこの聖杯が新生宇宙で稼働することは……どうやらできない。

 それが私と、そしてこれを造った天才たちの結論だ。やるならば新たな聖杯を新生宇宙のルールを理解したうえで新調しないと意味はない。けど新生宇宙は謎が多い。ルール自体が……ね。私が造ったし、私が何でもできる。

 でもそんなルールが有るのか……とか私が下手になにかするとそのたびにルールは出来るわけで……すでに安定してるこの現宇宙だから聖杯は完成できたようなものだ。まだまだあちら側が「新生」である限り、きっと色々とルールが追加されることになる。そうなるとバグを利用というのはリスクが高い。

 だって新たなルールを追加したら全く持って稼働できなくなる可能性が高い。安定してて、そしてルールを書き換えるものがすでにいなかったから、変化がないバグを聖杯は利用できたのだ。

 言うなれば今の私ならそのバグだって潰せるのだ。だから聖杯は……この聖杯はここで終わらせるべきなんだろう。とても助けられたけど……聖杯は新生宇宙にはもっていけない。


「こうなったらもう、ここも放棄するしかないわ」

「おい……さっきから思ってたが……貴様……ラーゼなのか?」

「信じられないですが……龍に転生でもしたと?」


 アクトパラスとゼンマイが私の正体を看破してしまった。いやまあ、そこまで隠してなかったからね。仕方ないか。でも流石に信じられないような顔してるね。なにせ今のわたしの龍の姿してるからね。無理もない。


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