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&433

 ブチッブチチチチチ!!


 そんなえぐい音が響いてた。肉が裂け、うろこがはじけ飛んで、骨が千切れる……そんな音だ。そして立派だったヴァラヴァレレイドの尻尾が根本のちょっと先から千切れた。いったい何を? 気でも狂った? とか思っちゃうが、ヴァラヴァレレイドはそんな奴じゃないね。きっと何かあるんだろう。もしかしたら尻尾の中から武器が出てくるとかさ? 

 だって神話とかでないだろうか? 倒した龍やら蛯やらの体の内から剣を取る物語……なんか記憶にあるぞ。でもどうやら私のそんな願望は間違ってたらしい。中から剣が出てくる……なんてことはないらしい。まあそれはそうだよね。だってあれは人間だからである。人間の物語だから、人間が使う用の武器が都合よく出てくるのである。

 今の私たちは龍である。剣とか出てきても今の私たちには使えない。つまりはそれは無用の長物ということになる。だから剣が出てくるとかそもそもが尻尾が剣になる……ということもなかった。

 まああのサイズの尻尾がそのまま剣になったら……どうやって使うか……だけど、私たちの場合は口にくわえる……くらいしかない。まあそれでも使える……といえるかもしれないが、両刃ならまだしもそれが片刃なら……いや剣なら普通は片刃だし、そうなると攻撃の方向が定まってしまうよね。それは始祖の龍にとっては簡単によけられるような? だからそれもよくないかって思った。

 つまりはヴァラヴァレレイドの尻尾はどう使うのが正解かというと……根元のほうから飲み込む……これが正解だ。


(うん?)


 やっぱり気が狂ったか? と思った。そんなにおなか減ってた? あんまりヴァラヴァレレイドはそんなこと言わないけど……確かに連戦が続いてる。そもそもが始祖の龍が復活する前からヴァラヴァレレイドはカサノヴァ神と戦ってたのだ。それはお腹も減り様というもの。でもだからって自分の尻尾を食うなんて……食料くらいあげるよ? 確かに生物の中には飢えると尻尾を非常食として食べる生物はいるらしい。まさか龍もそうだとは……でも龍も大きく見れば爬虫類だし? 尻尾を切るトカゲとかイモリとかも爬虫類だ。

 うん……同じことをしてもおかしくないね。


 そのまま突っ込んでいくヴァラヴァレレイド。自分の尻尾を食って元気にでもなったか? とか思ってたらそうじゃないらしい。なんかどんどんスピードが上がるヴァラヴァレレイドはなんか炎に包まれだした。そしてと自身の体すべてを槍へとなし……始祖の龍へと突っ込んで行く。

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