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始祖の龍をなんと表すのが適切なのか……それはまさに『無法』だろう。なにせまさにヤツ自信が『ルール』だからどんな法則も原理原則もやつの前ではやつの都合によって改変される。
だから……
『龍道まで食うか!』
逃げるためじゃなく、一手を打つためにヴァラヴァレレイドとルドルヴルヴは龍道を使って始祖の龍への接近を試みた。けど……そんな龍にしか許されない龍道まで始祖の龍は食いちぎった。
だから2人とも龍道に逆にとらわれるっていうね。きっと龍道の出入り口がおかしくなったせいだろう。なんか変な空間から、ヴァラヴァレレイドは尻尾だけ出す状態だし、ルドルヴルヴはなんとか顔の半分がでてる感じである。恐ろしい……宇宙にいきなりあんな状態の龍がいるなんて……きっとそれを観測した人類がいたら「これはなんだ?」――となるのは間違いない。
法則なんてないんですけどね。むしろ無法の結果なんだ。でも、なんにでも原因を求めてしまうような人たちはきっと色々な憶測をこの状態の2人に対して好き勝手思いをはすんだろう。
「宇宙はわからないことが多い」
とかの結論にきっと落ち着くことになる。だって星で生きるだけの存在には始祖の龍なんてのはどうあっても知れる手段なんて……ね。ないだろうし? とりあえず私は壊れた空間に挟まれてた2人を助けてあげる。もうほぼボロボロになってるここらの空間。私はうまく始祖の龍の攻撃を避ける事ができてるが、どうやらルドルヴルヴやヴァラヴァレレイドにはそれは難しいみたいだね。
始祖の龍がその気になれば、この宇宙の存在である彼らにはきっと『結果』を押し付ける事ができるんだ。私はすでにこの宇宙の存在じゃない。だからこそ『例外』になってるんだろう。
同じ始祖だしね。だから私にやつは結果を押し付けることができない。なので私は一応『戦い』を繰り広げる事ができてる。でも……そっか……気づいてしまった。そもそもが、この現宇宙の存在では始祖の龍とは戦いにさえならない……とね。
いや、ずっとわかってたけど……本当にただ戦う……なんてことさえ許してくれないなんてさ……ある意味でそれはあいつ……始祖の龍にとっても悲しいことなのかもしれない。
だってあいつは見てる限り戦いが好きそうだ。そのアホみたいな力をぶつけたいと思ってそう。
そもそもなんで始祖の龍は宇宙を造って、そして壊すのか? そういう存在だから……といってしまえばそれまでである。でも実際、それが一番確率的には高そうではある。だって始祖の龍は何も考えてなさそうだしさ。
でも考えてなくても思ってる事はあるんじゃないだろうか? こいつが心で臨むなにか……それを理解できたらもしかしたら始祖の龍と対話とかできるかも?




