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私は最悪、現宇宙なんてのはなくなってもいい。だって私には新生宇宙があるからだ。それに既に地球の人々はこっちが用意した星に移ってもらったし、私が転生した先の星の人達だってもう新生宇宙へと移した。
あとはそれこそウサギっ子とか、私が神となってかかわった人達くらいである。でももちろん神としてかかわった間柄なんだから、皆が神や竜クラスな訳で……そうなるとわたしがあれこれやる必要はない。
実際私の宇宙の星はほぼ新生宇宙に生まれ変わったのだ。完了してる。あとはドラグとウサギっ子が来てくれたらいい。アクトパラスとゼンマイ? あいつらは……実際どうでもいいよね。私が新生宇宙を得て始祖となったことだって知らないだろうし。てか私の事はもう死んだと思ってるでしょう。
それであいつらが私の心配したか? というと別にそんな事はなかった。まあ辺境は戦いが起こってて、忙しかったのがあるだろうけどさ……そのきっかけは私だったわけだよ。
ちょっとは心配しろよ……とは思うよね。きっと心配したとしても、それは残った私の宇宙。それをどうするか? くらいだろう。私がいなくなったのなら、三人で分けてた宇宙なんだから、今度は私の所を等分してアクトパラスとゼンマイで分ける……とかしないといけない。
でもそれって神としての、同僚としての義務なわけで、心情じゃないんだよね。だからまあ、二人はどうでもいい……私を少しでも心配してる言動でもとってたら、新生宇宙に招いてもいいかな? とか思えたけど、二人にはそんな動き一切ないからね。
まあ二人とも神なのだ。彼等は私を利用して、そして私も彼らを利用した。それだけの関係だった……それだけだ。ある意味で厄介じゃなくいい。
『ゆくか?』
「そうだね。行きなさいズラララバライト!!』
『ぬあ!? 儂か! いやムリじゃろ」
驚いてたズラララバライトが冷静にそう返してくる。
『儂はもうこの宇宙の存在じゃ。龍ではあるが、この宇宙の力で出来た儂では向こうの宇宙でその力を発揮できぬ……そうであろう?』
「知ってるよ。言ってみただけ……はぁ、私が行くしかないか」
漫才をやってる場合じゃない。けどこんな風な事をしてしまうのは、行きたくないから……だ。だって当然だよ。相手は始祖の龍だよ? 勝てる見込みなんてないんだよ? 私はなるべく楽したいんだよ。
きついのも苦しいのも嫌なんだよ。でも始祖の龍の前に立つ……と言う事はきつくて苦しい事だ。間違いなくね。




