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Σ70

 私達は一息ついていた。だってここまで戦闘漬けだよ。少しの休憩位許されるだろう。とりあえずマントの中に閉じ込めてた。鉄血種は新開発のマナを抑制する縄で締め上げてる。ちゃんと服も着せてるよ。まあ、布を巻いただけだけど……これで大丈夫なのかは実際不安だ。けど、鉄血種はおとなしくなってる。それが不気味でもあるけどね。

 

 けど丁度いいから今のうちにアレを聞いておこう。


「ねえ、真祖ってなに?」

「真祖様のことか? 我等が頂点にしてこの世界の神々に連なる一柱のお一人だ。貴様らなどに勝てる見込みは無いぞ」

「そいつがここに来てるの?」

「それはわからん。だが、真祖様はいつだって我等を見守ってる居てくださると伝えられている」

「ふーん」


 真祖ね……確かにそんな奴が来たら不味い。でもこいつの話的に、こいつも会ったことなさそうだよね? そもそもそんなのが居るかどうかもわかんないじゃん。そんなの気にしてたら、どうしようもないよ。頭の隅には置いとくけど……その程度が限界だね。

 

「随分大人しいのはその真祖が来るって信じてるから?」

「別にそうではない。ただ、脆弱な人の足掻きを見てみるのもいいかもと思ってな」

「あっそ。けどそんな脆弱な人種に、アンタの相棒は殺されたわよ」


 私のその発言に鉄血種の男は少しだけ眉を動かしたけど、それだけで怒りも悲しみも見せない。実は悲しみとかの感情はないのだろうか? 怒りとかは見て取れるんだけどな。自己中ぽいし、悲しいと思う事は無いのかもしれない。

 

「ふん、人らしい考えだな」

「どういうこと?」

「我等は死にはしない。絶対にな」

「なにそれ? それってどういう……なに?」


 その時、地響きの様な音が街全体へと響き渡る。何処かで塔の攻撃が起こった? いや、その様子は見て取れない。それにあれの衝撃はこんなに長くない。今もなお続いてるこの振動は一体何が原因なの? 

 

「おい! こっちだ!」


 そういうグルダフさんに応じて、私も屋根の上に登る。今ならこのマントのお陰で一回の跳躍でふわりと屋根へとたどり着けるから便利だ。そしてそこから見た光景に私は息を飲む。

 

「なに……あれ? 黒い炎?」


 遠くに見える街の外周……そこに黒い炎が滾ってるのがみえる。あれは何? まるで私達を逃さないようにするかのように見える。そう思ってると、次第に光がなくなってきた。光……それは太陽光だ。それがどこからか現れた黒い暗幕に覆わてくように消えていく。光は街の中心に向かって細い線へと成っていき……そしてなくなった。太陽の代わりに空には赤い月が煌々と見える。

 

 それはとても真っ赤な月。まるで血で出来てるかのような月だった。

 夜にあげれなくてごめんなさい。

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