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実際アーミュラが鍵なのはよくわかった。そしてそのつながりはきっと私達が思ってるよりも強い。
『のう……』
「ん?」
私はどうしたらアーミュラと話せる機会を作れないか考えてた。どんなつながりがあるのかわからないから、下手な手段は取れない。それなら……と思ってた時だった。ズラララバライトがなんかちょっと顔をその凶悪な爪でポリポリとしながら言ってきた。
『我も、特別な契約をしてやっても良いぞ……』
チラチラ――
「は?」
何いってんだこの龍? 状況わかってる? そもそもがいかつい龍の姿でそんなチラチラされても一切もって可愛くない。できるんだからせめてイケメンとか古龍だしイケオジになってやってほしかった。いや、それでも今は場違いだけどね。
「本気?」
『儂が冗談を言うとでも? この状況で』
どうやらちゃんとズラララバライトは考えてるみたいだ。けど今のが冗談ではないとは……確かに始祖の龍が何をやってるのか……それを検証できるのは同じ始祖である私だけ、といえる。だからきっと私と一緒にその検証をしてやろうっていう提案なんだろう。
けどそれだけじゃなさそう。もしかしたらもっとズラララバライトは私と特別――な関係になりたいのかもしれない。その可能性はある。実際今でもかなり特殊というか特別な立場なのにね。
私が一番最初にこの新生宇宙で誕生させた生命がズラララバライトなんだから、私の最初の子供とも言える。まあズラララバライトの場合は魂を現宇宙からもってきて、体を用意しただけだから、子供時代なんてのはない。
やろうと思えばズラララバライトの記憶とかもリセットできたと思う。でもやらなかった。だってそれではズラララバライトを求めた意味がないからだ。私が欲しかったのはズラララバライトの経験と知識。これまでの記憶をリセットしたら、そんなのがなくなってしまう。
だからそんなことはできなかった。わたしたちは改めて魂の回廊を結んでる。それにヴァラヴァレレイドともだ。でもそれは今までもそうたった。だから別段何か変化があったのか? というと別に何もない。ただこれまで通りだった。
実際魂の回廊で繋がってても思考とか思い……思惑といってもいいが、それを知ることはできる。それに力の受け渡しだってつつがなくね。まあ私は始祖だし、ズラララバライトは既に新生宇宙の存在だ。だから別にそんなのは必要なくできた。
むしろまだ現宇宙の存在であるヴァラヴァレレイドのほうが大変だった。魂の回廊で何も不便はなかった……と思ってたけど、でもそうだね。始祖の龍とアーミュラのつながりを知るためにも、魂の回廊を見直す時、なのかしれない。




