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 時間は少しさかのぼる――――


 無へと消えた白い古龍と始祖の龍。そして残されたのは双子龍とルドルヴルヴとヴァラヴァレレイド、そして……アーミュラ神だ。


『始祖と離れる事になったな。闘うのか?』


 ルドルヴルヴがそんな風にアーミュラへと声をかける。これはとてもチャンスである。だって復活してアーミュラも始祖の龍も常に一緒にいた。

 けど今、アーミュラは始祖の龍と離れた。無は現宇宙と時間やらなんやらが隔絶されてるだろう。だからこそ、今はアーミュラの本心……が聞けるのではないか? と思った。


『ルドルヴルヴ、いったん落ち着いて』


 私はルドルヴルヴに声をかける。私とルドルヴルヴは知らない仲じゃない。てか色々と協力関係にあるのだ。だからこっちの言葉だって、意図だってわかってるだろう。


「……」


 静かにたたずむアーミュラ。やっぱりちょっと……というか、かなり雰囲気が変わってる。前はもっと元気な奴だった。出来る女って感じだった。やり手の様な雰囲気と、さっそうとする立ち振る舞い。けど、女性らしいかわいらしさ……そんなのが合わさっててカリスマ……が確かにあっただろう。

 私の脅威になりうる奴だったよ。けど……今のアーミュラはどこか虚無で……生気も薄い。前がそれこそカリスマの美女……と言う感じなら、今のアーミュラはまさに薄幸の美女……と言う感じだ。


『ルウ爺、こいつはもう神じゃない。こいつは始祖の眷属みたいなものだよ!』

『そうだよ。こいつを倒すか食って、始祖の力の一部を得よう!!』


 そういって双子龍がアーミュラへと向かう。「あ、こら!」――とルドルヴルヴが言う。けど双子龍は止まらない。やっぱり古龍の中でも双子龍はきっと若いんだろう。古龍とはなんぞや? と思えるが、双子龍は迷わずにアーミュラへと攻撃を仕掛ける。

 青い奴が単発のブレスを吐き出して、赤い奴が体を回転させつつ、突貫していく。けどやっぱりアーミュラはなんにもしない。

 確かに双子龍のいう事ももっともだよ? もしもアーミュラがもう、以前のアーミュラではないのなら、さっさと倒した方がいいだろう。

 私達の迷い……それはずっと悪手をとってるような物なのかもしれない。その可能性はある。だって私達はなまじアーミュラを知ってるから、アーミュラを切り捨てられないでいる。

 だからこの双子龍の様にさっさと見切りをつけるのか正解なのかもしれない。


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