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衝撃の光景です。だってなぜか始祖の龍の体が分断されたんだよ? なんか宇宙に白い線がみえます。多分だけど、あれは空間の断絶だと思う。だからこそ、始祖の龍に通った。空間というある意味で固定された座標に置いてたからできた大金星って奴かもしれない。
本当なら空間の断絶とか、簡単に出来ることじゃない。いや、そもそもがルドルヴルヴかあの白い古龍が空間系の力に特化してるのかも? 私はなんとなくルドルヴルヴの方がそうなんじゃないか? と思う。なんとなくだけどね。けど、長い間始祖の龍の封印のカギとなってたのはルドルヴルヴだ。
どういう風にあの無法な始祖の龍を封印し続けて来たのか? と考えたら、それはやっぱり強力な何かがあったと思う訳で……物語的に空間とか操れる奴って強者ってイメージがある。つまりはそれである。ルドルヴルヴは空間を操る力の龍なのでは? ってことだ。それでも普通にやっても別空間に閉じ込めたりしても始祖の龍なら普通に出てきそうだよね。
なにせいくら空間を隔てようとも、やっぱりそこは現宇宙の空間だからだ。どこまで空間を超えたら別の宇宙になるのか? と言われても困るけど……はっきり言って私達始祖以外には空間をいくら隔てても、いくら空間を移動しようと、別の宇宙に至る事はない。まあだからこそ、ウサギっ子は異常だったんだけど。
普通は……というかその宇宙でどんな鬼才だろうと天才だろうと完璧に違ってる宇宙を超える……なんてその宇宙の存在には不可能なのだ。それが出来るのは始祖だけ……だからこそ始祖は特別なんだと思う。けどなんかウサギっ子はそれが出来た。おかしいが……きっとあれは愛の力だったんだろう。私の事を愛してるからこそ、ウサギっ子は宇宙さえ超えて私の元に来てくれた。
ウサギっ子にそんなことをいっても「そんなわけないでしょ。馬鹿なの?」――とか言ってくるが、実際そのくらいのバカな事が原因じゃないと説明できないんだよね。真面目な理由では説明なんて出来ない事象なのだ。
「ちょっ!? 何あれ? キモ……」
私は思わずそんな声を出してしまった。だって、なんか上下に分かれた始祖の龍がそれぞれの部位で動き出したのだ。まだ頭があるうえ部分が動くのはわかる。上下に分かれたくらいで死なないのが龍達だし? けどさ……まさか別々に自立して行動するとは思わないじゃん。下半身だけの部分とか完全にホラーだよ。




