&391
ヴァラヴァレレイドが龍道を出たときには既に先に出た四匹は始祖の龍に向かっての攻撃を始めてた。流石に古龍たちである。その戦いは宇宙を震わせてる。一番前に出て戦ってるはあの白い古龍だと思ってたら、そうじゃない。
一番前に出て始祖の龍の相手をしてるのは、どうやら双子龍みたいだ。まさか一番古龍の中でも若そうな双子龍が前? まだルドルヴルヴとかあの白いのの方が強そうだったけど? 陽動なのかな?
「なるほど」
あの双子龍……やっぱり古龍だけあってすごい。それに……二体の息はぴったりだ。双子の通じ合うような連携なんだろう。二匹の龍は始祖の龍に物怖じせずに向かっていって、すごい高速戦闘を繰り広げてる。一体が攻撃をしたら、そのフォローにもう一体が回ってる。一発でもあったたら古龍でもやばい始祖の龍の攻撃を、あの二匹はうまくしのいでる。
てか……
「ヴァラヴァレレイド大丈夫? あの中に入っていける?」
凶悪な広範囲攻撃に、一撃で星さえ消滅させるような攻撃の応酬である。さらにこっち側は一発でもあたったらやばいっていう制約もある。まあなんとか守ってあげたいとは思っでるよ。
でもどっちかというと私の乗せてる力はきっと攻撃に使いたい……と思ってると思うんだよね古龍たちは。だって彼らの攻撃も大概おかしな威力をしてる。それは古龍だからだけど、でもそれでも始祖の龍には完全無効化……されるからね。
いや、無効化はちょっとちがうか? その影響は確かに宇宙に広がるんだから無効化ではない。始祖の龍にはこの宇宙のエネルギーでの攻撃……それらが全く持って通用しない……影響しない……といった方が正しい。
だからどれだけ威力が高かろうと、どれだけ広範囲だろうと、どれだげ時間やら空間を巻き込もうと……もっと私が思いつかないような攻撃手段だったとしても、現宇宙の根源的な力を使ってる限り……始祖の龍には影響しないのだ。周囲で風は吹いてても、始祖の龍のところだけは無風なのだ。
「どうして?」
――とかじゃない。そうなのだ、としかいえない。だってそれが始祖だから。双子龍が始祖の龍と直接戦ってる……という事は、ルドルヴルヴとあの白い古龍は何をやってるのか? というと、ちょっとよくわかんない。それはどっちもその姿が見えないからだ。逃げた……理由はないと思うから、双子龍に気を取らせて、きっと始祖の龍の油断を誘ってるんだとおもうんだけど……せっかくならヴァラヴァレレイドもどう動けばいいのか? くらいの指示はしてほしかったよね。




