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『我が女神。もう一度我に力を! このままではゼーファスは無駄死にです』
そんな思念が私に届く。そればヴァラヴァレレイドの言葉だ。無駄死に……強い言葉だ。それも下の方に強い言葉。そんなのは誰もしたくないと思うだろう。死にたくないというのがそもそもあるが、どうしようもないとしたら、人は無駄に死にたくなんてないだろう。いや神も……せめて死に意味を……見出して死にたい。
それはゼーファスだって同じだ。自分の死を意味のあるものにしたいから始祖の龍を道連れに……と思ってる。それが出来たら、この現宇宙を救える。それが出来たらゼーファスの死にも意味が出来るだろう。宇宙を救ったという意味。でも……ヴァラヴァレレイドにはわかってる。いや、私にもわかってる。もちろんズラララバライトも。
けど今、ゼーファスと共に戦ってる神達はわかってない。むしろ希望を見出してるみたいだ。ゼーファスならやってくれる……その思いがあるんだろう。実際ゼーファスは神のトップだしそう思うのも仕方ない。むしろゼーファスがやってくれないと一体だれがほかに始祖の龍に対抗できるのか? という思いがある。
それに初めて始祖の龍が苦しそうに声を上げてる。度重なるゼーファスの白い拳が刺さる度に始祖の龍の体の鱗ははがれてた。明らかにダメージを受けてる。それに……だ。それにあのゼーファスは始祖の龍の体から出てる。そのせいで、始祖の龍からは攻撃が出来ないようだった。
つまりはゼーファスが一方的に攻撃が出来るのだ。それはとても大きなアドバンテージだろう。それに今の状態はゼーファスの切り札なんだ。神の頂点……そんなゼーファスが切った切り札。それで相手を倒せないなんて普通は思わないだろう。それは仕方ない。
それに彼らには始祖の龍のエネルギーも、そして今のゼーファスのエネルギーだってちゃんと把握できないだろう。二人ともとても特殊だからね。そこからの神じゃ、あれを認識はできない。だから「やれる!」――と思うのはしかたない。
でも私たちにはわかる。このままじゃダメだって。だって始祖の龍のエネルギーに対してゼーファスのエネルギーの消費は大きい。とてもじゃないが、始祖の龍の全てを砕くほどのエネルギーはもうゼーファスにはないのだ。
だからこそ、ヴァラヴァレレイドも援護をしたいという事だろう。実際チャンスには違いない。けどゼーファスだけでは無理。ならばヴァラヴァレレイドも手伝う……という事だろう。それは良いんだけどね。うん。
 




