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ゼーファスがその存在の根源を変えて自身を消費してる。始祖の龍へと一発一発をかます度にその存在が小さくなっていってるのだ。つまりは全てを使ってしまったら……ゼーファスは消滅することになる? それとも元のいつものゼーファスに戻るのだろうか?
「このままだとゼーファスは……」
『消滅するだろうな』
なんと、ズラララバライトが答えをくれた。やっぱりか。もしも根源を変えたエネルギーをすべて消費してしまっても、ただもとに戻るだけ……なんてのは私の楽観的な考えでしかなかったよね。まあ知ってた。そうなんじゃないかな? って思ってた。
だってこのリアルはそんなに優しくないからね。そもそもが根源を変換してるのだ。そしてそのおかげで今のゼーファスは始祖の龍へと攻撃を通せてる。ゼーファスは今、この現宇宙の存在じゃなくなってる。そうしないと始祖の龍へと攻撃を通せないから、そうしたんだろう。ぞれが根源の変換だ。
「やっぱり簡単に出来る……事じゃないよね?」
『当然だな。奴は……死ぬ気だ』
きっぱりとズラララバライトはそういった。元の姿に……いや存在に戻れないとなれば、エネルギーを使い果たしたら死ぬしかない。いくら神でもエネルギーがないとどうしようもない。途方もないエネルギーを持ってるのが神だ。でも……相手が悪い。今ゼーファスが戦ってるのは始祖の龍だ。この現宇宙の全てのエネルギーを自由に使えるし、全てを合わせても及ばない存在……それが始祖の龍だ。
そんな始祖の龍に痛痒を与えるためには生半可な攻撃はできない。当然だ。だからこそ、一撃一撃に膨大なエネルギーを込めてる。そのせいだろう。かなり大きかった今の白いゼーファスが一撃を与える度に小さくなっていく。
神なら自身の宇宙からいくらでもエネルギーを補給できるはずではある。それに上位の神で一番古い神なんだから、一番古い宇宙を持ってるはずだ。そのサイズは一番デカいだろう。でも……
「今のゼーファスは根源が違うから補給もできない……よね?」
『そうじゃな』
そういう事だ。せっかくの広大な宇宙に熟した生命たちのエネルギー。本当ならゼーファスのエネルギーが尽きる……なんてないだろう。きっと育ってない新生宇宙の始祖である私よりもエネルギーは巨大だと思われる。
けど今のゼーファスは根源を変換してしまってる。それはもうこの宇宙の神ではなくなってるという事だ。だから、自身の宇宙からももうエネルギーを受け取ることが出来ない。だから今のエネルギーしかゼーファスにはない。
きっと彼はわかってる。このまま攻撃を続けたらゼーファスは消える。
『ぬおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!』
でも……今のゼーファスからは消える事を恐れてるような気配はまったくない。きっともう覚悟を決めてるんだろう。そう……彼は始祖の龍を道連れに消える気だ。




