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「もっと! もっとだああああ!!」


 そんな声が宇宙に……崩壊しつつある辺境の宇宙に響く。ブクブクとした気持ち悪い感じのアクトパラスから出てきた触手。それが始祖の龍を絡め取る。始祖の龍は避けなかった。多分どうとでもできるからとりあえず受けてみようと思ったんだろう。強者の考えだ。


 事実始祖の龍は間違いなく強者だからおかしくはない。きっと魂を砕いたはずのアクトパラスが復活してなにかしてきたから「面白い」――と思ったんだろう。だからその触手を受けた。


 一体なにをアクトパラスはやろうとしてるのか? アクトパラスの触手は始祖の龍をくまなく飲み込もうとしてる。反抗してないから、始祖の龍はまもなくその触手に包まれる。


「おお!」


 そんな声が神々たちから漏れる。なにせ完全に拘束したんだ。こんな事今までなかった。何をやっても意味なんてなかったんだ。だって相手は始祖。何をしても効きはしない。だから実際、アクトパラスの触手だってそうだ。

 効いてないだろう。あんなのは戯れ……それでしかない。でも……事実完全に拘束してるのはかわらない。


「よくやった。そのままにしておけ。あれをやる!!」


 ゼーファスがなんか切り札? みたいなのを使うらしい。実際なにか始祖の龍に通用するなにか……がないと反抗しようとはしないよね。それがなんなのか知らないが、アクトパラスはその言葉に従う気はない。

 ただただ、自分の欲望を満たそうとしてるだけだ。


 ジュルルルルルル・ジュルルルルルルル――


 そんな音が宇宙に響く。触手の間からよだれのようなものがたれている。


「ばっちい……」


 私はそんな風にいった。だってつまり、あの触手の中はアクトパラスの唾液まみれになってる……ということだよ? 考えられないね。


「うぬおおおおおおおお! うほおおおおおおおおおおお!!」


 そんな興奮した声をブヨブヨでただの肉塊みたいなアクトパラスがいってる。本当にただの化け物になってるぞ。あれも神? なんだよね。姿は本当に化け物よりも化け物らしくなってる。

 触手を無数にだしてるけど、始祖の龍を絡め取ってるだけじゃない。それ以外にも無数の小さな触手もあって、肉塊には大きな口がある。その口には大きな牙があり、その奥には更に牙。

 そんな化け物じみたアクトパラスの姿。そしてなにかを吸ってるのか、どんどんとアクトパラスは大きくなっていく。いつしかかなりの大きさになったアクトパラス。でも……次の瞬間。


「あが……」


 そんな間抜けな声が聞こえたと思ったら、まるで限界に達したようにアクトパラスが風船のように爆発した。


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