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&374

「あれが始祖の龍か……なんという」


 恐れ……それがゼンマイから感じる。けどそのパートナーの奴、アクトパラスは違った。


「ははっ! あれが始祖……なんだあれ?」


 アクトパラスは震えてる。でもそれは恐れ……ではない。いや、恐れではあるだろう。でも興奮でもある。遠目から眺めてるアクトパラスは今にも飛び出そうとしてる。


「死ぬぞ?」

「そうだろうな」


 いつも自信満々のアクトパラスが素直にそういう。アクトパラスは戦闘ジャンキーな奴だが、相手との力の差がわからない奴じゃない。始祖は圧倒的な力を放ってる。それこそ触れるだけで震えだすような、屈服するしかないような力。

 それを誰もが感じるだろう。それは神でも竜でも龍でもかわらない。そのはずだ。あれと戦ったら必ず死ぬ。それがアクトパラスにはわかる。


 辺境の戦いで沢山の竜と神を二人は食らった。宇宙はもう三人で一人分の神の宇宙……なんて事はない。二人の宇宙は既に私の宇宙よりも大分大きくなってる。でも成長はまだまだだ。だってまた奪っただけだからね。

 ここから数千年、数万年をかけて宇宙を整えていかないといけない。戦いにかって宇宙を得たからって、すぐに自分の力になるわけじゃない。ちゃんと命を生まれさせて、成長させて、そんな星を沢山生み出さないといけない。それが神の役目だ。

 当然今さっき得たばかりの宇宙なんてスッカスカだろう。だからってこれから何万年も星を育てる時間があるか? っていったらない。当然ない。だって既に始祖の龍は暴れてるのだ。辺境の宇宙は崩壊しかけてる。


 せっかく戦いの中で得たというのに、このままではあの戦いはなんの意味もないことになる。それをゼンマイは悔しく思ってる。でも、アクトパラスは違う。新たな戦いの火種。そして目標ともなる存在。始祖の龍に興奮してる。


「一度だ。一度だけでもぶつかってみたい」

「死ぬぞ」

「死ななかったら、何か得られるかもしれない」

「勝手にしろ」


 ゼンマイはそういった。既に沢山の辺境の神が参入してる。その一人になるだけだろう。だがゼンマイはそんな気はさらさらなかった。だが、アクトパラスはそこに参加する気満々らしい。意味がわからない。だって勝てる可能性は万に一つもない。今は……だ。今は勝てる可能性が何も見えない。


 だからこそ、ゼンマイは参戦しない。でも、アクトパラスは今だからこそ――という。そしてそのまま突っ込んでいく。


「楽しませろ始祖の龍!!」


 そんな風に叫びながらアクトパラスは突っ込んだ。そして――アクトパラスは始祖の龍に尻尾でぺちっ……とされた。それだけで神としての全てが砕け散る。


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