表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

229/2419

Σ64

「う……ん? 私は……」


 精悍な顔立ちに似合う、少し野太い声で女兵士さんは気がついた。少し周囲を見て、私へと焦点が有ってくる。

 

「君は……フェアリーの」

「はい、亜子っていいます」

「そうか……君に助けられたんだな。流石は人類の希望だ」

「いえ……そんな」


 そんな風に言われると恥ずかしい。だって私はそんな大層な人物じゃないし……そもそもアンティカがない私たちなんて皆とそう変わらない。

 

「こんな少女が……」

「ん?」


 なにやら可哀想な目を向けられた様な? でも少女とか言われたけど、この世界では私は既に成人してるけどね。そんな小娘に見えるだろうか? 私はここよりも生活水準の高い世界で育ったから発育もいいほうだけど……

 

「いや、君みたいな綺麗な女性に私が……とね。すまない、これはちっぽけな私のプライドだ。見ての通り、私は女を捨ててるからね」


 綺麗……そんな風に言われたのは初めてかもしれない。私はどちらかと言うと可愛い系というか……それにラーゼの奴と居たから大体ラーゼだけしか見てない人多いからね。女を捨ててると言った女兵士さんは確かにその筋肉の付き具合はガチだなって思う。女性ってそもそも浮き出る程に筋肉とかつきにくいけど、この人はボディビルダーかってくらい、筋肉が浮き出てる。

 

 それだけ自分を追い込んで鍛えてきた証……髪の毛もベリーショートだし、確かに女を捨ててそうではある。けど胸はデカイけど……流石にそこら辺はどうにもならないみたい。

 

「立てますか?」

「ああ、済まない。奴らは何故か私を傷つけようとはしなかったからな」

「それはですね」


 私は端的に鉄血種の事を説明した。そして彼女が拘りを持たれた対象ということも。

 

「そ、そうか……奴らは私は取り合ってるのか」


 なんか頬が赤くないですかね? まさか嬉しいの? 敵だよあれ? しかも最後には殺されるからね!? まあでもそれだけ女扱いされて来なかったのかもしれない。かわいそうだし、そこには突っ込まないでおこう。

 

「あの……このカードに貴方のマナを記憶させたいんですけど?」

「それが必要なのだろう? 好きにしてくれ」


 私は彼女にカードを渡してそのマナを記憶させる。これで彼女の分身体を出せる。二人の鉄血種はまだ気付いてない。アホかな? 二人共美形の色っぽい見た目のイケメンだ。さっきの少女は可愛かったし、その後に倒した鉄血種も美女美形だった。こいつらどんだけ見た目いいんだよって感じ。三十人位しか居なくて、私が出会った奴ら全員美女で美形って……割合的に凄くないそれ? 

 

 上位種程、見目が良くなるってのは本当みたい。まあそれでもラーゼには及んでないけど。やっぱりアイツ人種じゃないでしょ。そんな事を考えながら、私は彼女の分身体を配置してく。

 

 ついには殴り合いまで始めた二人の鉄血種。もう女兵士さんの事は忘れてるんじゃ? 

 

「ねえゼロ……あいつらの一体をこのマントの空間に閉じ込めることって出来ないかな?」


 それをやれれば、一体ずつ倒せる。

 

『難しいと思われます。彼らも同じ物を装備してますし』

「だよね……けど、あれをまた取り込むことが出来れば?」


 今までは鉄血種を殺った後に残った布を取り込んできた。けど、それが生きてる時に出来れば、奴らはこの装備を使った行動はできなくなるんじゃ? 試す価値はある。

 

「ゼロ、作戦宜しく」

『分かりました。マスターのサポートが私の役目ですからね』

「私も出来る限りの事をさせてくれ!」


 女兵士さんもやる気だ。私はそんな彼女に頷くよ。そして私達は一人の鉄血種に絞って動き出す。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ