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向こうの力……現宇宙の存在だと始祖の龍には絶対に勝てない。それはどうしようもない事実であり、法則だ。なにせ相手は始祖。宇宙の始まりを創った存在だ。そして向こうにいる存在は全ては始祖から生まれてる……といっても過言ではないわけで……その影響から逃れることは出来ない。
それこそ私の新生宇宙に鞍替えするくらいしか始祖の龍からの呪縛から逃れる事はできないんだ。本当ならその宇宙の存在が、そこの始祖に勝てる道理なんて全くない。でもそれを覆すために、色々とゼーファスは策を弄してたわけだ。
パートナーだってその一環だろう。実際、アーミュラは狙い通りに始祖の龍のパートナーには収まってる。けど、まだどっちに立ってるのかはわからない。ゼーファスの狙い通りのパートナーになってるのか……それとも始祖の龍の都合のいい女になってるのか? いや、始祖の龍が女を求めてる……というのもおかしな話だけどね。
なにせ始祖に寿命なんてない。そもそもが神にだってそんなのないのに、その更に上である始祖にそんなのあるわけない。どうして生命が番をもとめるのか……それは種を存続させるためだろう。
そして増えるため。存続という点では始祖には寿命も死もないだろう。いや、死がないのは殺せる相手がいないって意味ではある。もしかしたら始祖も死ねる可能性はある。私のようにまだまだ弱い始祖なら、あの始祖の龍に殺される可能性は十分にある。
でも死なんてきっとあいつは意識してないだろう。ならば存続とかではないだろう。そうなるとあと一つ、存続のために繁殖も手である。沢山の子孫を残すことで、種は種としての存続を計る。
そのためには番が必要だ。それにアーミュラは選ばれた……とか? でもどうなんだろうか? 始祖の龍は野生の獣のようなやつだ。奴には知性はない。流石にまったくないわけじゃないだろうけど、高度な知性はもちあわせてない。
そんな存在が、種を繁殖させようとかおもうだろうか? だって繁殖も存続も生存本能だと思うんだ。それって普段は意識なんてしない。でもピンチになると、それが強く出てくるというか? そんなのだろう。でも始祖の龍がピンチになるなんて……ね。ないだろう。そんなの感じた事、あいつあるのか? って感じだ。
だから結局、これは憶測と推測でしかない。とりあえず私はヴァラヴァレレイドの攻撃に自身の力を乗せる。それによって、更に強力になったヴァラヴァレレイドのブレスは大きさを一回り大きくして、始祖の龍の混沌を貫いた。
今まではその翼の混沌へと飲み込まれていってた。でもそれを貫けたのだ。やっぱり私の力大分有効なようだね。