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&352

『その存在と共に行くという事がどういうことか、わからないお前じゃ――ぐおおおおおおお!?』


 ゼルがアーミュラに語り掛けてたわけだけど、短気な始祖の龍はそんなゼルの首をいきなり表れて食らいついた。まだ殺してないのはきっと気まぐれ。一応アーミュラの方を見てるから、何か二人の間ではやりとりがあるのかもしれない。


 ゆっくりとその翼が広がる。大きく広がった翼には吸い込まれるような混沌がある。観てるだけで吸い込まれていくような錯覚を覚えるようなそんな……


「って、あぶな!?」


 再び影響を受けてた。ここは宇宙だって全く違うのに……始祖の龍はとんでもないな。そして新生宇宙いる私でさえその影響を受けるという事は、あの宇宙は当然、もっと強く影響を受けるわけで……てか始祖の龍に触れられてるゼルなんて諸にその力に狙われてるといってもいいかもしれない。


『グオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!?』


 ゼルの叫びが宇宙に木霊する。それにここ周辺の宇宙にあるものが……始祖の龍の混沌へと飲み込まれていってる。それは宇宙のごみでも竜の死骸や神の死骸とか関係ない。そして星でさえも……だ。竜は星なんかよりも頑丈だし、殺そうとしたって神でも骨が折れるくらいには生命力にあふれてる奴らだ。ゼルだってそこらの竜よりも強いと思ってる。


 でも……始祖の龍とは比べるべくもない。ゼルの力は急激に吸われて、そして魂までも肉体から離れようとしてる。でもその時、アーミュラが始祖の龍に手を触れた。止めてくれるのかな? と期待が高まる。

 けど……さらに混沌が広がる。遥か遠くの宇宙からでも見えるような……それだけの規模になってる。


「久しぶりの食事に喚起してる?」


 力の波動……それで始祖の龍が喜んでるのがわかる。まだパートナーになったばかりのアーミュラではこの歓喜に打ち震えてる始祖の龍を止める事は出来ないみたいだ。てか今やアーミュラ見てないし……


「あーもう!!」


 ゼルにはお世話になった。私がここまでこれたのも……もちろん私の頑張りが大きいが、ゼルが私と魂の回廊をつないでくれなかったら、もっと早くに私の旅は終ってた可能性は高い。だって私は運しかなかった。そこに力を預けてくれたのがゼルだ。なら……


「恩返し位しないと、女が廃るよね」


 こんな早く対峙する気はなかったんだけどな。

 

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