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「のろ……は?」
『その目……よく観てみろ。火が灯っておる』
火? 私は鏡を使って自分の目を覗き込んだ。するとたしかに……なんか目玉の奥にある……てか私の目の色変わってる? この火の影響で、赤紫に寄ってる気がする。
『呪の火。魂に灯る火じゃ。それは全てを焼き尽くす炎だ』
「なんかやけに詳しくない?」
『それと同じ炎は観たことある。始祖の龍の名残として、消えぬ火の星があったからの。そこの火と同じじゃ』
どうやら、現宇宙にこの私に灯った火と同じ火が燃えてる星があるらしい。なるほど……それなら、この火にも詳しいのも納得だ。
『それで……なんともないのか?』
「なんともない? なに言ってるのよ! 私の顔に傷つけたのよ!? あの龍許さないわよ」
プンプンだよ。なんともないわけないじゃない。私の顔に傷をつけた。これはどんな罪よりも重いよ。私の宇宙である新生宇宙での罪の重さなら最上級である。実際これをやったのはアーミュラだけど……でもその力自体は始祖の龍だ。
だから始祖の龍が悪い。けどこうやって始祖の龍の力を使ってる……ということは、完全にパートナーとなってるということだろう。
『お主がなんともないのならよい。本来なら、その火に焼かれると碌なことにならないからの』
「どういう事?」
ズラララバライトの言葉は気になる。私的にはただ攻撃を受けただけ……と思ってたけど、それだけじゃない? それって私が同格の始祖だから、この炎の影響を最小限でとどめてるのかもしれない。
『もう一度観る気があるのなら、再び始祖の龍達を観るがよい』
下手に覗いてたら、再び攻撃を受ける可能性はある。なにか対策は必要だろう。とりあえず直接観るんじゃなく、なにかクッションを挟むか。私は対策をして、再びアーミュラ達を観ることにした。
『なぜだ! アーミュラ! なぜ!!』
そんなふうな強い言葉が放たれる。それはどうやら侵略してきた神……そして竜から開放されたゼノラグドール……ゼルの言葉だった。黒竜と呼べるほど黒いかの竜、アーミュラとそして始祖の龍に敵対してるように見える。
せっかく開放されたし、感動の再開をしてるのかな? とか思ってたら、どうやらそうでもないらしい。




