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ふむ……亜子が理解してくれたのかはわかんないが、なんとか助けることはできた。私は宇宙から新たにつくりだした星を眺めてる。青い綺麗な星である。実際一から地球に似せて作るとか大変だなー……とか思ってたけど、なんとズルをすることができた。それは星の記憶の抽出である。
どうせ暴れまわってる竜や神にぶっ壊されるのなら、先にその星を空っぽにしても文句なんて言われないだろう。星の記憶は星の全データの集約みたいなものだ。それを得て、私はそれを元に『地球』をこの新生宇宙へと再現した。
そこはほら、私って始祖だし? 星を一つ作るくらいなら簡単である。まあ星の種とかこっちにはないから、それをどうするのか? という問題は色々とあった。まあでも星の種って実際ただの石みたいなものだし? なんだって代用できそうではあったけどね。
まあそこは始祖だから無理矢理星を生み出す……という荒療治で解決した。なにせ広くしてるといっても、色々とデブリがあるか? と言ったら別にないからね。星の種で星を作るのは前提として、沢山宇宙に漂ってる物が必要である。
向こうの始祖は壊すのが得意そうだから、ゴミがたくさんできそうだけどさ、私は綺麗好きなのだよ。なのであんまり宇宙を汚したくないっていうか? もっと別の方法で星と命を増やしていきたいところである。
これまで私の宇宙の第一生命体はズラララバライトだった。てかそいつしかいなかった。命の輪廻みたいなシステムはもちろんない。だって命一つだしね。けどズラララバライトを引っ張ってきたことで、その手段がある……という事はわかってた。
地球も私の宇宙……であれば楽ではあった。でも、実際地球の知り合いなんてのは亜子だけで、他の何十億人は他人なわけじゃん? まあだから時々アーミュラにいって亜子に会うくらいでいいか……だったわけだけど……アーミュラがいなくなって、アーミュラが支配してた宇宙が侵略されてる今、当然だけど地球だってピンチになった。
最初はそれそこ亜子だけ救えばいいかってかんじだったけど、まあ地球にも私は一応の恩? みたいなのがあるかもしれない。前世の記憶に助けられたことが……あるようなないような気がしないでもないからね。
だから地球の魂を引っ張ってくることにしたのだ。本当なら無断でそんなことをしたら戦争物だろう。でももうアーミュラはいないし、ただ壊されるだけなら彼女だって許してくれると思う。魂を現宇宙の輪廻から外して私の新生宇宙の方に引っ張ってくる。それは宇宙全体からの強奪ともとれるが、どうせ私以外にはそれをわかるやつはいないのだ。
でももちろんだけど、現在生きてる命を無理矢理……なんてのは無理だから、一度地球には滅んでもらう必要があった。数十億というとかなりの数ではある。でも宇宙全体で見たらそれでもちっぽけな数である。まあそもそも持ってきた命は人間だけじゃない。
地球の文字通り全ての命……だからこそ、地球そのものを新生宇宙に持ってきた……といえるだろう。




