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「ラーゼ……」

「ん?」


 ラーゼの奴……私が何を言いたいのか、きっとこいつはわかってる。わかってるから、窓に映るその向こうでいたずらっ子のような笑みを浮かべてる。もうこのまま部屋から出て行ってやろうか? とか思ったが、実際私は答えを求めてる。何が起きたのか……本当に私たちは一度滅んだのか? 実はすべてラーゼが見せてた幻覚だったという線だってまだある。そういういたずら心とかこいつ持ってるだろうし。どうやらラーゼはこっちから言葉を引き出させたいらしい。ニヤニヤしてるたげで何も言わない。

 しょうがないか……あいつは神だ。その気になればなんだって出来る奴……変な意地を張っても私が敵う道理はない。私は息を吐く。


「何が起こったの? ちゃんと説明して。あの……あの出来事は……」


 声が震えてしまう。だってあの時……私は何も守れずにこの星は……一体あの時私は何をおもってただろうか? もう思い出す事はできない。あれが幻だったなら、あんな事はなかったんだって安心できる。私は窓に映るラーゼに向けてこの言葉をいった。


「本当に起こったことなの?」

「いきなり元通りになったからびっくりしたんでしょ? でもあれは夢じゃない。もう地球は宇宙から消え去ったわ」


 消え去った? 確かにラーゼはそういった。もう地球はこの宇宙にはないのだと。でも……じゃあ……


「ここはなんなのよ? ここは地球じゃないの?」


 だってここは地球のような感じだ。遠くに見える都市だって見覚えがある建物がちらほらある。それにスマホを見たら沢山の動画があふれてて、依然と何もかわりはないように思える。空を見たらちゃんと月だってあるじゃないか。それなのに地球はない? そんなバカな。


「じゃあここは何なのよ?」

「限りなく地球に寄せて作った私の星よ。私の宇宙の星。大変だったんだから」


 そういいつつ、なんか誇らしげである。一から地球に似せて作った星? そんなことが……と思うけど、ラーゼは神だ。神様なら、こういうことが出来てもおかしくなんてない? 


「待ってよ。こんな星があるなら、なんで地球を滅ぼしたの? 私達だって一度は全員死んだってことでしょ?」


 あの光景が夢じゃないのなら、私たちは地球と共に一度滅んだってことだよね? ぞれとも実は死ぬ直前にラーゼがみんなをここに送った……とか? それなら死んではない? わからない。


「皆一度死んだよ。だってそれが必要だったからね。だからあいつらが地球を滅ぼすまで待ってたんだから」

「おい」


 今なんて言った? 待ってた? それってつまりは、全てはラーゼの予定通り……という事? 

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