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「ラーゼ? ラーゼなの?」
『そうだよ。久しぶりだね亜子』
軽い感じの声。通信越しでも美少女とわかる声が聞こえてくる。なんで通信越しなのにこんなに透き通ってるのか? でも今はそれどころではない。今大事なのはこの星のピンチ。それをどう切り抜けるのか……てかどういう状況なのかってことをラーゼは知ってるんじゃない? この星に戻ってからも時々だけどラーゼは来てた。
それは突然でいきなり。いつも勝手に来ては勝手に去る。そんな感じだっだ。どうやらラーゼは『神』となったらしいという所までは聞いてた。だからこそ、この星にも来れるようになったのだと。神ならそれは簡単に星くらい行き来できるだろう。勝手な想像だけど。
「ラーゼ。ゼロはありがとう。けど、ゼロだけじゃ足りないわ。奴ら強いのよ」
『それはそうだろうね。なにせあいつら竜だし?』
あっけらかんとラーゼはそういった。竜? それってドラゴンってことだろうか? ちょっと信じられない。だってイメージするドラゴン? の形の奴なんてほとんどいなかったわよ。
「わかってるなら、なんで一機しか寄こさないのよ!? それに竜ってどう見ても竜のような見た目じゃないわよ?」
『まあ竜というのは種族名というか、なんというか? だからね。宇宙に生きる存在。その分類の一つが竜なんだよ』
「それじゃあ神も竜なの?」
ふとした疑問が口に突いてでた。だって神だって宇宙を股にかけてる存在だから宇宙で生きてる――と言えるのではないだろうか? それとも神も星とかで生活してるのだろうか? けど何年か前に来たときは星を作ったりするのが大変……とか言ってたような?
『神は神だね。そもそも神は生命体じゃないし? 竜にはちゃんと肉体があるし、寿命も一応はあるからね。食べないと生きてけないし。でも神はエネルギー体だから生命活動してるわけじゃないんだよ』
「へーってそんな豆知識今はどうでもいいわよ! なんでその宇宙生命体みたいな竜がこの星にやってきてるのよ!?」
私は今すぐにというか、可及的速やかに解決策を用意してほしいのだ。神にそんな事を求めるなんて罰当たりなのかもしれないが、私の中ではラーゼはラーゼなんだ。神になったと聞かされたって別に敬う必要ないらしいし? ラーゼ自身がそう言ってた。なので罰は当たらないだろう。そんな事を思ってると、ラーゼはとんでもない事をいった。
『それはここを管理してた神が死んだからだね』
「はい?」
神が死んだ? それもここを管理してる神が? どういうこと? 頭が混乱してくる。